50代以上も約半数は「育休を取得したい」結果に
J-CASTニュースがパソナグループから年齢別のデータを取り寄せたところ、「特に取得したいと思わない」と回答した男性の年代は、15~29歳、30~39歳、40~49歳がいずれも34%未満だったのに対し、50~59歳が51.1%、60~69歳が46.0%、70~84歳が44.8%だった。
50代以上に「特に取得したいと思わない」人が集中していたものの、裏を返せば50代以上の男性も約半数は「育休を取得したい」と思っているという結果だが、以前より理解や意識が高まった結果と言えるのか。山口さんは「以前は(育休取得が)許されなかったが、今はそれが許される時代になったことを認識した」のではという。
「以前より理解や意識が高まっている、というよりは、男性の育休が許容される社会に変わってきたことを感じていて、現代社会ならとりたいと思っている、というほうが当たっているかと思います。
以前から、お父さんも育児をしたいという自然な気持ちがあり、それは時代によってなんの変わりもないと私は思っています。父は昭和2年(1927年)生まれでしたが、私が生まれたとき、夕方職場(自転車で行ける距離)から帰ってきて、風呂に入れてくれて、そのあと職場に戻ったそうです。ただ、日本では高度経済時代に国・社会から、男は仕事、と思い込まされていて、それが長く続き、育休制度ができてもそれを自分が取ることなど選択肢に上がってこなかったのです。
いまは、外にでれば平日は当たり前のようにお父さんが子どもを保育園に連れていく光景を目にします。休みの日も街中や行楽地で、お母さんは手ぶら、お父さんがベビーカーを持ち、かつ子供を抱っこしていたりします。レストランでも、乳幼児にお母さんでなくお父さんがご飯を食べさせていたりします。
上の世代の人はそれをみて、または自分の子供(息子や、娘のパートナー)が孫の育児をするのを見て、時代は変わった、今のほうがいいな、と感じているのではないでしょうか」
パソナグループの執行役員で女性活躍推進担当の長畑久美子さんもこの結果について次のようにコメントした。
「『取得したいと思わない』という回答が注目されがちですが、逆の側面から見れば、家庭の状況等によりもともと育休を取得する必要がない人も一定数いることを考えると、男性でもかなりの割合の方が、期間の差はあれ『取得したい」と回答していることは、一昔前に比べると社会的に大きな進歩であると言えます。
『取得したいと思わない』という回答をゼロにすることが大切なのではなく、本心では取得したい人が、社会の意識(アンコンシャスバイアス:無意識の思い込みも含む)や企業風土など様々な事情で『取得を躊躇してしまう』ような社会を変えていくことが必要ではないでしょうか」