「個人的に一番届いてほしいのは、足に傷やアザや白斑などがあり、足を出す事に躊躇してしまってる方なので、そういった方に届いてほしい」──。
「靴下屋」などの靴下専門店を展開するタビオ(大阪市浪速区)が素足のように見せる自社タイツをX(ツイッター)で紹介したところ、「女の子に寄り添うってこう言うことよね」「膝に火傷の痕あるからこういうのは本当にありがたい」などと好評を博している。投稿の背景を取材した。
「一生消えない一夜のアヤマチも無かったことに」
話題になっているのは、ベージュのフェイクスキンタイツ「NUDEY54d」だ。公式サイトでは、「『履く』コスメ」「エフェクトをかけたような美肌で傷や毛穴など肌の悩みを一気に解決。お肌に合わせた絶妙なカラー展開で、素肌風に見せたスタイルにも」と謳われている。
タビオ公式Xが2023年10月5日、大きな傷が隠れたと写真で比較する購入者の投稿を引用リポストする形で、冒頭のように伝えたところ、「こんなんtabio激推しするしかない 女の子に寄り添うってこう言うことよね」「膝に火傷の痕あるからこういうのは本当にありがたい」などと話題になっている。
引用元になったXユーザー「氷月(ひづき)」(@ghiaccio_mese)さんは6日、次の感想をJ-CASTニュースの取材に寄せた。
「スポーツをしていて生傷が多いから...とか、結婚式などに出席しなきゃいけないのに足に青あざ作ってしまった!とか、スカート履きたいけど生足はな...とか、そんな人でもオシャレを諦めなくて済む素晴らしい商品です。実際私も、このポストをした日は数年ぶりにワンピースを着て出掛けていました」
傷については「酔っ払って転んだ時に作った」「これはもう一生モノの傷だな、と諦めているようなしぶといヤツ」といい、「一生消えない一夜のアヤマチも無かったことにしてくれるカバー力です」と賛辞を重ねる。
Xの反響を受けて、タビオのX担当「1号」さんは広報を通じて12日、「スタートは防寒需要だったのですが、その過程で『自分が本当はしたいことが出来ない』という人達に気付くことができたのは、SNSだからこそだと思います」と取材に明かす。
開発のきっかけは、21年度に同社がSNSで提案した「ベージュのタイツをフェイクスキンとして防寒利用する」手段が好評を得たこと。その際に、これなら傷も隠せるという声が寄せられ、「その視点に驚きました」。防寒対策としての評判をふまえて「より自然に見える肌色タイツ」をめざし、1年の開発期間を経て22年に発売した。