放送作家の鈴木おさむさんが2023年10月12日にX(旧ツイッター)とインスタグラムを更新し、24年3月31日をもって32年間続けてきた放送作家と、脚本家を引退することを発表した。
「SMAPが解散してから、自分の中で120%の力が、入りにくくなってしまった」
鈴木さんは引退を決めたきっかけについて、
「元々は2019年。当時48歳の僕が色々迷っている時に、山下達郎さんのライブで『LAST STEP』という曲を聞き、その瞬間、『50歳になったら辞める』という思いが頭に閃きました。コロナ渦になり、辞めるという考えを一度胸の中にしまっていましたが、今年の春頃、『辞める』と決めました。夏には、今日、10月12日に報告させていただこうと決めました」(原文ママ)
と説明した。
引退の経緯は、20代からSMAPと仕事を始めて「とんでもないスピードで時間が流れていきました」。さらに1億円以上に膨らんだ父の借金を返したこと、「森三中」大島美幸さんと交際0日で結婚したこと、不妊治療の末に子を授かり1年間育児休業を取得したことなど、これまでを振り返った上でこう明かした。
「でも、ある時、自分の人生を俯瞰で見た時に、40代後半から、おもしろく生きられてないなと思ってしまいました。ありがたいことに、今も沢山のお仕事をいただき、作り手としては、やり甲斐のあるお仕事ばかりです。ですが、ここ数年、作り手の前に人として、振り切って生きれていないなと言う思いがずっとあり。もう一つ。SMAPが解散してから、自分の中で120%の力が、入りにくくなってしまったというのもあります。常に入っていた120%の力が入らない時も出てきてしまった」
また、「SMAP×SMAP」(フジテレビ系、1996年4月~2016年12月放送)の作家を務めていた故・永井準さんが、仕事をしながら運転免許取得のため教習所に通いフラフラになっている鈴木さんに
「おさむ、今のお前にしか出来ないことがあるんだから、免許なんか取りに行かなくていいんだよ。今お前にしか出来ないことを全力でやるんだよ。将来な、絶対仕事は減るんだよ。間違いなく減る。でもな、俺なんかさ、40代後半になってさ、バイクの免許取りに行ってさ。これが、楽しいんだよ。だから、今は今のお前にしか出来ないことをやるんだよ。世の中の人がやってることは、人生の後半の楽しみにとっておけよ」
と語りかけたといい、「そのことを教えてくれた永井さんは57歳で旅立っていきました。ずっとずっと、この言葉が胸に残っていました」と、永井さんの言葉も決断の一因とした。
仕事仲間は引退の決意を理解してくれたそうで、「今田耕司さんにこのことを伝えた時には、『おさむくんのそのあとが楽しみです』と力強い言葉を頂き背中を押されました」という。
妻・大島美幸は「まさに親方、ドーンと構えています」
妻の大島さんは
「僕の選択を心から応援してくれています。初めて話した時に『いいじゃん』と全力で言ってくれました。まさに親方、ドーンと構えています」
といい、
「今の仕事を辞めるということは、当然ながら、来年からは収入がとても減ります。でも、妻はある時言ってました『お金に執着するとそういう人生になるんだよな』と。その言葉を聞いて、ハッとしました。今までの人生で、僕は何かを手放した時に、大きく人生が変わり、別の大切な何かを手に入れています。だから今、放送作家という大切なものを、ここで手放すことをしてみようと思っています」
と、大島さんの考え方が鈴木さんの決断に影響したとも明かした。
引退後については
「来年春からは、若者たちを応援することが出来たらと思っております。現在51歳。今だったらまだ間に合う。まだ形になってはないですが、それをこれから本気でやってみたいと思っています」
「来年の春からは、これまでやれなかったことを、拾っていくかのように、やっていこうとも思っています。肺の持病も抱えていますので、もっともっと身体をいたわって生きていこうと思います」
とした。
引退までは「まだ半年あります」として、
「レギュラー番組は全力でやらせていただきます。新しいことにもこの半年で挑戦します。そして3月31日まで脚本・台本は書き続けます。120%、全力で放送作家をやりきります」
と宣言した。
ネット「SMAPと鈴木さんが作り上げる世界を観たかった」
インターネット上では
「鈴木おさむさん脚本のドラマ本当に好きで、奪い愛(編注:テレビ朝日系「奪い愛、冬」)は何度見たことか もう見られないの悲しいな」
「大島美幸さんの『お金に執着するとそういう人生になるんだよな』の発言にとても共感します。鈴木おさむさんの発想力とか本当におもしろいと思っていたのでとても残念ですが、ご自身が楽しい!と思える毎日を送られる事が何よりだと思います」
「鈴木さんが作ってくれた番組やコンテンツでどれだけ笑わせてもらって、どれだけ救われたことか。本当にありがとうございます」
と、鈴木さんの引退を惜しむ声や労いの声が相次いでいる。SMAPに言及していることについても、
「SMAPが解散してから、自分の中で120%の力が、入りにくくなってしまった...かぁ。読んでて切なくなった」
「やっぱりSMAPの存在は大きいですよね...私はまたSMAPと鈴木さんが作り上げる世界を観たかったのでとても寂しいです」
「おさむさん SMAPって本当に特別な存在だったんだな。今までありがとうございました!」
などと注目する声が広がっている。
クリスマスの名曲数々ありますが、北川悦吏子さん作詞のSMAP「愛の灯」はかなりの名曲だと思う。ホントは愛してると言えなくても、寄り添えば 愛の灯が灯る、、、って。メリークリスマス。今から息子のところにサンタが来そうです。
— 鈴木おさむ (@suzukiosamuchan) December 24, 2018
僕は平成3年に放送作家になり、平成の時代にSMAPの皆さんと沢山お仕事をさせていただきました。
— 鈴木おさむ (@suzukiosamuchan) April 30, 2019
刺激を貰って、鍛えて貰えて、他の人が出来ない体験も沢山出来て。そして平成最後の日に、これから「新しい地図」の皆さんとお仕事をして令和を迎えます。
感慨深いです。ありがとう。平成。
NHKのプロフェッショナルはもちろんだけど、こんな時だからこそ、SMAP27時間テレビ「武器はテレビ」のラストのライブ部分、ゴールデンで再放送してくれたらいいのになー、フジテレビさん。と勝手に思ったりする。勇気を貰える人が沢山いるんじゃないか。と勝手に思ったりする。
— 鈴木おさむ (@suzukiosamuchan) April 12, 2020
もし[SMAP?SMAP]が続いてたら、昨日の放送では、きっと「Triangle」を放送していただろうなと思う。歌の力は凄い。あの歌が今こそ、メディアで流れることを願う。きっと沢山の人に届くだろうから。
— 鈴木おさむ (@suzukiosamuchan) March 1, 2022