2023年10月7日にハマスが急襲し、イスラエルは戦争状態と表現した。ハマスが大規模なミサイル攻撃をし、複数の箇所でイスラエル領内に侵入した。イスラエルは不意を突かれて今後は猛烈な報復に出るだろう。
テロ行為として理解すべき
まず、ハマス、パレスチナの関係を整理しておこう。
ハマスはテロ組織でイスラエル殲滅を目標としているが、パレスチナを代表としていない。ハマスはガザを実効支配しパレスチナ人を抑圧している。
パレスチナはイスラエルと長い間争っているが、第一次世界大戦中に秘密協定を結んだ英国がアラブ人にもユダヤ人にも独立国家建設を約束した「二枚舌」による。
アラブ諸国は心情的にパレスチナを応援している。だだし、イスラエルとサウジアラビアの宥和路線のように、ここ数年イスラエルとアラブ諸国は急速に関係改善が進んでいる。ハマスはこの宥和路線を苦々しく思っている。
今回のハマスの急襲は、歴史問題というよりテロ行為として理解すべきだ。平和的な音楽祭を襲い、欧米人を含む多くの人を惨殺し人質にしたことからも、今回が単なるテロ行為であることを明白に示している。
これはテロなので、イスラエルに自制を求めるべきでない
それにしても、岸田文雄首相の対応はいかがなものか。X(ツイッター)のポストは他の欧米首脳より遅れた。しかも、「ハマス等パレスチナ武装勢力を非難する」と、パレスチナを出してしまった。さらに「全ての当事者に最大限の自制を求める」との結論だ。
これはテロなので、イスラエルに自制を求めるべきでない。米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアの各国首脳は電話会談し共同声明を出したが、ハマスによるテロを非難し、イスラエルに寄り添うとしているので、日本は欧米とはかなりスタンスが違っていることが浮き彫りになった。
岸田首相は、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府のアッバス議長とそれぞれ電話会談を行う方向で調整に入った。それで本当に停戦になるなら喜ばしいことだが、岸田首相が話す相手はパレスチナではなくハマスだろう。
今回の事件は、人質もとられているので解決は長引きそうだ。その結果、ウクライナは欧州で、イスラエルは米国で、北朝鮮は韓国で対応となる可能性もある。その場合、台湾は日本となるが、民主主義対専制主義でまるで第三次世界大戦前夜のようなのに、日本は大丈夫なのだろうか。
多くの方々が誘拐されたと報じられており、これを強く非難するとともに、早期解放を強く求めます。
— 岸田文雄 (@kishida230) October 8, 2023
また、ガザ地区においても多数の死傷者が出ていることを深刻に憂慮しており、全ての当事者に最大限の自制を求めます。