埼玉県議会で審議が進む県虐待禁止条例改正案をめぐり、国民民主党の玉木雄一郎代表は2023年10月10日の定例会見で、改正案の前提が「今の現実には当てはまらない」として、「もう1段慎重な対応が必要」だと述べた。
玉木氏は、全国的に話題になった香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」(20年4月施行)を引き合いに「全国への波及も非常に大きいと思う」とも指摘した。
「埼玉県の話だが、全国への波及も非常に大きいと思う」
改正案は、子どもを自宅や車内などに放置することを禁止する内容。成人の「養護者」が小学3年生以下の子どもを放置することを禁止し、小学4年生~6年生については努力義務とする。罰則はないが、県民には通報を義務づける。10月6日の委員会で可決され、13日に開かれる本会議で採決が行われる。
玉木氏は、「本当に、議会として条例として可決すべきかどうか」と指摘。懸念点について
「埼玉県の話だが、全国への波及も非常に大きいと思うし、子育て中のお父さんお母さん、特にシングルのお母さん、お父さんから見れば、果たしてそれは可能なのか、という問題点もあると思う」
などと述べ、本会議に向けて
「よくよく慎重な議論をしてもらいたい」
とした。
香川県のゲーム条例は、「目安」として、ゲームの利用時間を「1日60分、休日は90分まで」に制限する内容で、玉木氏によると「全国に様々な波及を及ぼした例」。今回の改正案も「埼玉県内の問題というものにとどまらず、もう少し幅広い慎重な議論」が必要だとした。