「俺が決めていいなら...」原作者が参加する同人誌即売会「博麗神社例大祭」の特異性 代表が設立経緯とコロナ禍を振り返る

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「ここで諦めたら本当に同人誌即売会が続けられなくなってしまう」

――21年当時の東京では、ゴールデンウィーク直前に緊急事態宣言が発せられ、わずか数日後に東京ビッグサイトで予定されていた数々のイベントが中止や延期を余儀なくされました。
(2021年4月27日配信:「家に本届いた子たちはどうするんだ」 開催前日に同人誌イベント苦渋の「延期」...主催者語る激動の2日間)

北條さん:私自身は、この時中止になった同人誌即売会「COMIC1 BS祭 スペシャル」の運営にも携わっていました。会場から「無観客であれば開催できる」と言われた翌日に、COMIC1代表の池上巌さん、コミックマーケット代表の市川孝一さんに連絡を取り、東京ビッグサイトに直談判しに行きました。その結果、延期開催が叶いました。

――当時、参加者の間では「イベントに迷惑をかけないよう感染症対策を徹底しなければならない」という雰囲気がありました。その後、コミックマーケットをはじめ様々な同人誌即売会が東京ビッグサイトに戻ってきました。「COMIC1 BS祭 スペシャル」の延期開催は、コロナ禍の同人誌即売会にとって一つの大きな節目だったのでしょうか。

北條さん:そうですね。「COMIC1 BS祭 スペシャル」が中止になったとき、各代表に行動力と団結力が無かったら、おそらくこのようにイベントを復活させることは困難だったと思います。ここで諦めたら本当に同人誌即売会が続けられなくなってしまうという危機感がありました。

――例大祭はいつごろ東京ビッグサイトに戻ってきましたか。

北條さん:21年秋です。約2年ぶりのホームグラウンドでしたが、どんな状況でも絶対にやるという覚悟を持って挑みました。都内のイベント参加者数は少なく、収支だけ見ればやるべきではなかったといっても過言ではないでしょう。しかしその先もイベントを続けるという強い意志があったし、やらなければならないイベントだったと振り返っています。
今年23年を迎えてまだ完全に収支の数字が戻ってきたわけはありませんが、おかげさまでなんとか展望は見えるようになってきたかと思います。

――コロナ禍は厳しい時代だったと思いますが、活気を取り戻すために取り組んでいることはありますか?

北條さん:接触を極力減らしてできる企画を、頭をひねりながら取り組み続けてきましたね。ことしはメモリアルイヤーで、春には第20回春季例大祭、秋には第10回秋季例大祭がありますので、記念誌などを作成しています。
また前回から学割を導入したところ、適用のサークルが100を超えました。こんなに参加を希望する若い方がかなりいたんだなと思いました。より参加しやすい、初めてのサークル参加に向けたコンテンツなどもさらに充実したものを作っていきます。

――例大祭の参加者さんにも話を聞きましたが、「東方Projectが好きな人たちと繋がれる場所を作っていただいたことに感謝している」と言っていました。

北條さん:ありがとうございます。同じ趣味の人々がちょっとでも楽しい思いができればいいなと考えています。僕らは、イベントはもちろん、終わった後にご飯を食べたり飲んだりしながらいろんなことを話すのが楽しみであり、オフライン(リアル)イベントの醍醐味だと考えています。コロナ禍ではそうもいかなかったですが、イベント後に仲良くなったファン同士の交流を深めてもらえたら嬉しいです。今は忙しくても頑張って例大祭に行きたい、東方のコンテンツを頒布するならば例大祭に行きたい、と思ってもらえるイベントを目指しています。
我々もどこまでイベントを続けられるか分かりませんが、今後も新しい企画に取り組み、引き続き挑戦を続けて行きます。
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