「デザインの敗北」ではなく、「ダメなデザイン」では?
「デザインの敗北」のようなスラングは、キャッチーなので使いやすい反面、定義があいまいです。「デザインの敗北」の事例が拡散されたことをきっかけに、その用法や定義に疑問を投げかける意見が議論を呼びました。
起点となった投稿も、トイレの案内マークについての事例でした。ある施設のトイレについて、ピクトグラムが一見すると性別が分かりにくいデザインになっており、ピクトグラムの下に「男性トイレ」と書かれた紙が追加で貼られたという話です。
こちらの投稿にも「デザインの敗北」という言葉を伴った反応が相次ぎました。
一方でこちらの投稿に対して、あるユーザーが「こういうのは『デザインの敗北』ではなく『駄目な・質の低いデザイン(をした結果)』である」と指摘し、注目を集めました。
「『デザインの敗北』だと『デザインは悪くない(または良い)けど他の要素に負けた』と受け取れるが、今回の場合は『男性トイレである』というデザイン本来の目的が果たせていないので、『デザインがよくない』と言うべき」というのです。
ネットスラング「デザインの敗北」は「駄目なデザインをした結果」なので間違った日本語という指摘 「敗北のデザイン」がしっくり来るの声も - Togetter
この投稿について、「そもそもデザインという言葉をどう捉えるべきか」といった根本的な視点や、一般的なトイレマークを超えるデザインを提示できなかったという文脈で「どちらかというと敗北のデザインだよな」とする声などが出て議論が盛り上がりました。
「デザインの敗北」という言葉は、逆にデザインの意味そのものを考えるきっかけを与えてくれそうです。