サモア戦、明暗分けた「ディフェンス力」と「キック精度」 ラグビーW杯元日本代表が語る勝因と8強へのキーマン

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「最後の3点はすごく大きかった」

   藤田氏はもうひとつの勝因として松田の正確なキックを挙げた。

「松田(力也)選手とサモアの選手のキック精度が勝負の明暗を分けたと思います。松田選手があれだけ正確に決めてくれると負けられない。接戦になればなるほどあの3点の重みが最終スコアに響いてくる。逆にサモアは前半の最初のPGを決めることができませんでした。あれが決まっていたら試合の流れが変わったかもしれません。決める時に決める。キックの精度が高ければ高いほど勝率は上がります」

   そして「トライを狙うところとPGを狙うところの判断はすごく良かったと思います」とし、後半35分に日本がトライを狙わずにPGを選択した場面に言及した。25-15の状況でペナルティーを獲得した日本は、トライを奪えば4本目となりボーナスポイントを獲得できたがPGを選んだ。

   藤田氏は「負けないためには良かったと思います。トライを狙いに行って奪えなかった場合、最終的なスコアに照らすと3点差、つまりPG1つの差だったので、最後の3点はすごく大きかった。勝利を引き寄せた得点でした。何としても勝たなくてはいけない試合だったので点数のマネジメントは大切でした」と解説した。

   次戦は世界ランク9位のアルゼンチンが相手となる。サモアと同様にフィジカルが強く、過去のW杯では2度のベスト8を経験している強豪だ。

   藤田氏は「松田選手のキックがすごく大事になってきます。試合は僅差になると思うので、松田選手のキックが決まるか決まらないかが大きなカギを握ると思います」とし、アルゼンチン戦のポイントを解説した。

「サモアのフォワードも強かったが、アルゼンチンは強さの上にスキルがあります。それをどれだけ止めることができるか。アルゼンチンは世界の強豪の中でここ数年しっかりもまれて準備してきたチーム。今大会あまり調子が良くないとはいえ強豪国のひとつであることは間違いありません。日本は粘って食らいつき、最後の20分で走り勝つ。そうすれば勝利が見えてくると思います」

   日本は2大会連続の8強を目指しアルゼンチンに挑む。

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