「ジャニーズ」の名前変わってもファンは応援できる? 識者が指摘する「気持ちが離れてしまう」本当の原因

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   故ジャニー喜多川氏の性加害問題でジャニーズ事務所が2023年10月2日に記者会見し、東山紀之社長は社名変更などを通じて「全てジャニーズとつくものはなくなります」と宣言した。だが、「ジャニーズだから好き」とその名前にブランド価値を見出すファンもいる。

   社名は17日付で「スマイルアップ(SMILE-UP.)」に変更し、被害者の補償に専念した後、廃業する方針。タレントのマネジメントは新会社を立ち上げ、その社名はファンクラブで公募するという。

   ジャニーズの名称が変わってもファンは応援できるのだろうか。有識者は、公募される新しい社名の根拠が重要になると指摘。さらに、ジャニーズ特有の「システム」が損なわれてしまった場合、徐々に気持ちが離れてしまうファンが出てくると推察する。

  • 会見でジャニーズ事務所の社名が変更されると発表(2023年10月2日撮影)
    会見でジャニーズ事務所の社名が変更されると発表(2023年10月2日撮影)
  • 会見の様子(2023年10月2日撮影)
    会見の様子(2023年10月2日撮影)
  • 東山紀之氏(2023年10月2日撮影)
    東山紀之氏(2023年10月2日撮影)
  • 会見でジャニーズ事務所の社名が変更されると発表(2023年10月2日撮影)
  • 会見の様子(2023年10月2日撮影)
  • 東山紀之氏(2023年10月2日撮影)

「『ジャニーズ系』というと、誰もが『正統派男子アイドル』といったイメージを抱いてきた」

   ツイッター(現・X)やヤフー知恵袋には、ジャニーズではなくなったら冷めるという旨の投稿が散見される。推しているタレントはもちろん、ジャニーズ事務所に所属していること自体を魅力に感じるファンが多くいるようだ。

「ジャニーズではなくなった推しを今までと同じようには見られない」
「ジャニーズにしかないオーラがある」
「自分がジャニオタ(ジャニーズオタク)でなくなることが受け入れられない」
「ブランドに魅力がある」

   ファンは「ジャニーズ」というブランドのどのような部分に魅了されているのか。著書に「ジャニヲタあるある」、「ひみつのジャニヲタ」、共著に「大人のSMAP論」があり、応援歴30年超のジャニーズファンで「メンタルケアカウンセラー」のみきーる氏は10月3日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように見解を示す。

「『ジャニーズ系』というと、誰もが『正統派男子アイドル』といったイメージを抱いてきたと思います。正統派であり、丁重に扱われてしかるべき存在であり、これまではどうすればなれるかは、ジャニー氏の一存によるところが大きかった。憧れと謎と圧倒的な強さを象徴する存在がジャニーズで、その絶対的な『いかんともしがたさ』に皆惹きつけられたのだと思います。
ジャニーズのタレントさんにしても、『俺、ジャニーズなのに!』というとき、その名にはこうした『特別な存在』という意味が込められていたのではないでしょうか」(みきーる氏、以下同)

   では、ジャニーズの名称変更はファンの心理にどのような影響を与えるか。今まで通り応援できるのだろうか。みきーる氏は「どんな名前になるかにもよりますが、しばらくは違和感があるでしょうし、『これじゃない感』や、名前変更に至った理由が頭をもたげて冷めてしまう人はいると思います」という。

   そこで、公募される新会社の名前の根拠が重要になると指摘。特定のファンの案が採用されたとなると複雑な気持ちになったり、受け入れられずファンを辞めたりする人が出てくるかもしれないと推察する。

「『名前がどうした!今の痛みも含めてずっとついていく!』というファンは多いでしょうし、逆に『今までは縁がなかったけど、シーズン2ともいうべきこれから』のタイミングで『新しい名前のジャニーズ』のファンになる人も現れると予測します」

「ジャニーズだから好き」という場合、名称はもちろん、特有の「システム」を指す

   これまで、退所によりジャニーズの看板を失ったタレントは多くいる。ジャニーズ事務所に所属していた頃は人気だったタレントが、退所後はメディア露出が少なくなったようなケースが散見される。ジャニーズファンの中には、退所したタレントに対して「ジャニーズを抜けたら好きじゃなくなった」「急に冷めた」などという人も少なくない。

   みきーる氏は、退所した推しタレントのルックスや楽曲が今までとは違う方向性に変わったことで、ついていけなくなるケースもあると指摘する。

「常人の感覚では作れなかったであろうジャニーズのトンチキな世界観は他に類を見ませんし、そこに切磋琢磨するあまたの男性アイドルがいるのだという夢ゆめしさも、その魅力の礎となっていました。そうした『魔的なもの』の総称たる『ジャニーズ』の呪文を唱えられなくなることを、切なく思う人はいるかもしれません。ただ、皆『やむをえないことだ』と理解はしていると思います」

   そのようなファンは、今回、名称が変更されることで応援しなくなるのだろうか。みきーる氏は、「ジャニーズだから好き」という場合、名称はもちろん、その特有の「システム」を指すと指摘。名称が変わったことそのものより、ファミリー感、豪華なステージや衣装、ドラマやCM、雑誌での安定した露出などこれまでのシステムが損なわれてしまった場合、徐々に気持ちが離れてしまう人が出てくると推察する。

   こうした背景から、名称変更によってジャニーズの看板がなくなった段階では、ファンへの影響力をただちに失うわけではないという見解を示した。

「ファンにとって魅力が乏しくなるとすれば、推しが去ったり、今まで提供されていたサービスが低下したり、『システム』が脆くなったりすることが原因となるのでは。ただし、CMの起用など対企業となると厳しいものがあるでしょうし、新社名のブランド力が高まるには相応の時間を要すると思います」

   名称変更による所属タレントへの影響については「既存のデビュー組の人気が大きく下がることはないと思います。会社名だけでなく、グループ名を変更するグループもありますが、むしろこの機にファンの結束が高まるムードも感じられます。ただし、露出の減少や公演規模の縮小など、今までどおりにいかないことも出てくるかもしれません」という。

   デビュー前の若手「ジャニーズJr.」についても「これまで『ジャニーズだから』なしえたPR展開などができない可能性はあると思います」とする一方「しかし、以前のジャニーズでは難しかったSNSもできるようになりましたし、今後は配信による楽曲販売も増えるのではないでしょうか」という展望を示した。

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