サッカー元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏(41)が2023年10月4日に公開したユーチューブ動画で、アジア大会男子サッカー準々決勝戦の日本戦における北朝鮮の一連の暴挙に怒りを示した。日本が2-1で勝利した。
北朝鮮の暴挙に計6枚のイエローカード
試合は序盤から北朝鮮が危険なスライディングタックルを繰り返す荒れた展開に。後半に入っても北朝鮮のラフプレーは続き、後半27分過ぎは日本スタッフに対する暴挙でイエローカードが提示され計6枚のイエローカードが提示された。試合後は裁定に不服を唱え数人の選手が主審に詰め寄るシーンもあった。
北朝鮮の暴挙は日本で大きな話題を呼び、地元開催の中国や韓国メディアで批判的な論調で報じられた。
闘莉王氏は「まず悲しい」と切り出し、「これがサッカーじゃないということを子供たち(北朝鮮の選手たち)に教えないといけない。子供たちが上のコーチやスタッフの人たちに何か言われてああいった行動を、ラフプレーをやり出したというのが感想」と率直に述べた。
北朝鮮選手のラフプレーや日本スタッフに対する暴挙は「指導している人たち、スタッフに問題がある」とし、「アジアの中で戦う時は韓国であったり中国であったり北朝鮮もそうですけど、ちょっと荒れた展開になるがあそこまで悪質な感じが明らかになったのも初めてじゃないのかな。明らかにケガさせるタックルであったりエルボーであったり一線を越えた試合になった」と振り返った。
左拳を振り上げスタッフ威嚇
闘莉王氏が「1番許せない」としたのが後半27分過ぎの北朝鮮選手の暴挙だ。いったんプレーが止まった際、日本スタッフがクーラーボックスを持って日本選手に給水ボトルを配っていると、北朝鮮選手がスタッフに歩み寄り給水ボトルを強奪。戸惑うスタッフを威嚇するように左拳を振り上げる暴挙に出た。
闘莉王氏は「スタッフから水のボトルを取って飲んだ。拳を挙げて威嚇したのがまず許せない。残念な行動では片付けられない。審判が与えたイエローカードも間違ったイエロー。あれはレッドにしないといけない」と怒りをにじませた。
北朝鮮選手の愚行を批判する一方で主審のレフェリングを疑問視した。
「レフリーがきちんとやっていれば2、3人退場になってもおかしくなかった」とし、「主審の腕の見せ所が足りなかった。滅茶苦茶遅れて後ろからタックルしたら現代のサッカーではイエローでは片付けられない。あれはレッドを出さなくてはいけない。まずそこから間違っている」と指摘した。
闘莉王氏は最後に「これがサッカーではないことを分かってほしい。サッカーの1番の意味をもう1回勉強しなきゃいけない」と訴えかけた。