インボイスが「副業したい」意欲そぐ それでも始めるには...識者に聞く制度との向き合い方

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「よくわからない」という人も多い

   これから副業を始める人は、インボイス制度をどう向き合っていけばよいのか。研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――インボイス制度について、「副業をしたい」と思っている人の91%が知っており、かつ、「内容を知っている」人も44%というのは、ちょっと驚きの数字です。これほど関心が高まっているのは、なぜでしょうか。

川上敬太郎さん それだけテレビやネットニュース、新聞、週刊誌などでインボイスというワードが取り上げられる機会が多かったということでしょう。

ただ、「内容を詳しく知っている」と回答した人は「副業したい」人でも7.3%にとどまっています。これまでは、消費税を納めなくてよかった個人事業主でも納める必要が出てくる、など、詳しくはわからないものの、何となくどんな話なのかは当たりがつく、というかたが多いのでしょう。

――「副業をしたい」人にとって、インボイス制度が「副業に後ろ向きになりそう」という人が15%もいますね。この数字をどうみたらよいのでしょうか。インボイスは副業にマイナスだということですか。

川上敬太郎さん やはり、インボイスに対する批判とみられますか。ただ、「変化がなさそう」「よくわからない」という人が多いことも気になります。

インボイスの導入によって、消費税分の負担をめぐり、これまでの取引に支障が生じたり、事務的な手間が増えたりと、マイナスの影響を想定している人が一定数いるということだと思います。

いまの時点では、「副業に前向きになりそう」と回答している人より、「後ろ向きになりそう」と回答している人のほうが比率は高く、インボイス制度の導入は副業意欲をそぐ方向に作用していることがうかがえます。

また、「よくわからない」と回答している人が45%を超えて最も多くなっています。今後、インボイス制度が実際に運用されるなかで、印象が変わっていかない場合は、時間の経過とともに制度内容への理解が進むにつれ、「後ろ向きになりそう」と答える人の比率はさらに高くなるかもしれません。
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