ジャニーズ事務所が2023年10月2日にジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題をめぐる2度目の記者会見を開き、今後の会社運営に関する方針が発表された。会見では一社一問というルールが設けられたが、司会者に指名されない記者が「先ほどから当ててもらえないんですけど」と怒号を飛ばす場面などもみられた。
事務所側と報道陣との攻防に注目が集まるなか、今回の会見に参加した複数メディアの記者らがネット上で感想を述べている。
「日本のメディアがどれだけ腐ってるか」
今回の会見には、東山紀之新社長や井ノ原快彦さん、木目田裕顧問弁護士、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)に就任した山田将之弁護士の4人が登壇し、事務所の名称変更や性加害問題をめぐる再発防止策などが発表された。
質疑応答では一社一問というルールが設けられ、司会者が順番に質問者を指名していったが、複数の論点を含んだ質問を尋ねる記者もみられた。会見終了30分前には、指名されていない記者が「先ほどから当ててもらえないんですけど」と怒号を飛ばす場面もあった。
今回の会見での報道陣の対応について「どうして会見のルールを守らないんだ」「当たり前の事が出来ないメディア」などと一部記者に批判の声が上がるなか、実際に参加した複数メディアの記者らが感想を述べている。
Arc Timesの尾形聡彦編集長と望月衣塑子キャスターは、事務所側の対応をYouTubeで批判。尾形氏は「酷すぎる会見でしたね」と振り返り、「わざと我々を当てないようにルールを作っていて、多くの報道陣がルールを守れと。私はこんな会見を見たのは初めてだし、日本のメディアがどれだけ腐ってるかというのを、本当に目の前でよく分かりました」とメディアの対応も非難した。
望月記者も「しょうもないですね」などと同意し、X(旧ツイッター)では「ご都合ルールを押し付けてメディアをコントロールしてきたジャニーズ事務所らしい振る舞いで、何も変わっていない」と糾弾した。
YouTubeチャンネル「白坂和哉 DAY WATCH」を運営する白坂和哉氏は同日、「今回はジャニーズ側にかわされてしまった感は拭えませんね。質問できたのは良かったのですが、もっと突っ込んだやり取りをしたかったですね」とXで振り返っている。
YouTubeチャンネル「ReHacQ」を運営する映像ディレクターの高橋弘樹さんは、楽曲の権利の所在について尋ねた自身の質問に対する事務所側の回答に言及。「結果『新会社に』との事で、これ実務的にとても大切な事で、そうすると旧事務所を脱退した方が、昔の名曲歌える可能性も出てきます。5人のセロリ聞きたい!」とXで感想を述べた。
月刊誌「実話ナックルズ」編集部は、質問内容に対する回答に言及し、「退所したタレントさんに圧力を今後はかけない、とのお言葉いただきました」とXで報告している。
そのほか、司会者が「明らかに変な人」ばかり指名したとして苦言を呈する声や、「前回とは異なり質疑応答は途中で終わり、最後まで当ててもらえなかった」「新聞がほぼ質問できなかった」と会見運営への不満も漏れていた。