コンセントに差した充電器が焦げているのを見つけると、飼っているネコのおしっこの臭いがして...。飼い主がツイッター(X)でこんな体験を明かし、話題になっている。
「今日まじで事件がありまして」。投稿者のなめこさん(@araratoarere)は2023年9月28日、こう切り出した。
「突然部屋の中がモヤって焦げたような匂い」
それによると、自宅の部屋を掃除していたところ、「突然部屋の中がモヤって焦げたような匂い」がした。
「え!?何!?どこ!?何で!?」「何これ臭い!!火事!?」
なめこさんは、とても驚き、ネコ1匹が寄って来たが、モヤは一瞬で消えて、臭いの元は分からなかった。
それでも、コンセントを一個一個チェックしていくと、タコ足配線したコンセントで、充電器が何個か焦げているのを発見した。
そして、充電器からは、おしっこの臭いが漂って来た。自宅では、ネコを数匹飼っており、少なくとも1匹がタコ足配線のコンセントの上におしっこをして、それが原因で焦げた臭いがしたのではないかと気づいた。
なめこさんは、焦げている充電器を取り替え、移動できる配線をできるだけ上の壁に着け直したという。「まじで焦った。せめて家にいる時間でよかった...」と振り返っていた。
この投稿は、大きな反響を呼び、火事にならなくてよかったとの声が続々と寄せられている。
なめこさんは29日、J-CASTニュースの取材に応じた。それによると、部屋のベッド下の奥にコンセントの穴があり、そこからタコ足配線のコンセントのコードを伸ばした。タコ足コンセントは、枕元付近のベッドの土台に置き、土台とマットレス、壁の間にネコがすっぽり入れる空間があったという。ただ、玩具が入り込んだとき以外、ネコがいるのを見たことはないともした。
タコ足コンセントに差した充電器のほか、USBステーションやそれにつないでいた充電器が焦げたという。焦げたのは、コンセントとの間ではなく、それに差したアダプタと充電器の間だったと説明した。
ペットがコンセントなどにかけた尿が原因の発火事故が度々報告
実は、ネコなどのペットがコンセントなどにかけた尿が原因で発火した事故は、度々報告されている。
製品評価技術基盤機構(NITE)では、各地の消費生活センターや消防署から通知を受けた事故を公式サイトで紹介している。
同機構の製品安全広報課は9月29日、取材に対し、ペットの尿が原因の事故には、3つのケースが考えられると説明した。
1つは、コンセントにたまったほこりに湿気が加わり、火花放電が起きて徐々に炭化した電気の通り道ができるトラッキング現象だ。もう1つは、電気を通す尿がたまって直接プラスとマイナスの電極がその場でつながるショートだ。充電器やファクシミリには電子基板があり、それがショートすることがあるという。最後は、コンセントなどが腐食して電気を通しにくくなり、接触不良が起きて発熱してしまうものだ。
なめこさんが投稿したケースは、アダプタや充電器の電子基板に尿が入ってショートするなどした可能性がありそうだ。
最近報告された出火事故では、兵庫県内で19年2月にネコを数匹飼っている家で洗面化粧台のコンセントにネコの尿が入り込んで内部でトラッキング現象が起きた、千葉県内で16年4月に同様な家でネコがファクシミリに尿をかけて内部の電気部品でトラッキング現象が起きた、などのケースがあった。
発火の予防策として、製品安全広報課では、ペットのしつけをするほか、尿がはねる恐れがあるペットのトイレ付近にコンセントを置かないこと、コンセントにフタをして尿が入らないようにすること、などを挙げている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)