奈良市が里親を募集する保護猫たちが、X(ツイッター)で「名付けの天才」などと話題になっている。譲渡会も実施しており、「市でこんなに手厚く募集や譲渡会してくれるなんてすごい」「里親になりたい気持ちを湧かせる」と評する声も。市に詳しい話を聞いた。
「ネーミングセンスについては昔からとても評判がよく」
奈良市では公式サイトやXで、里親募集中の子猫の写真と、名前、性別、生年月日などの情報を公開している。なかには「てんや」「わんや」や「ハチャ」「メチャ」と対になるような名付けをされている猫もみられる。
Xでは2023年9月下旬、奈良市からこうした保護猫の譲渡会のお知らせが公式LINEでも送られてくるとして話題を呼んだ。「名付けの天才」「こういう見せ方は、里親になりたい気持ちを湧かせるからイイね」「市でこんなに手厚く募集や譲渡会してくれるなんてすごい」「とても良い取り組み」といった声が出ている。
業務に携わる市・保健衛生課は26日、Xの反響を受けて、「ネーミングセンスについては昔からとても評判がよく、職員間で今回の名前は何になったのかなとか、名前を聞いて思わず吹き出すことがよくあります」とJ-CASTニュースの取材に明かす。
名付けは70代の男性獣医師職員が中心に行い、兄弟の場合は同じテーマで名づけられるケースが多い。「余暇を楽しんでいる時にメモして取りためておられます」とし、このように述べる。
「最近では、保健衛生課のツイッターで猫の紹介をするのですが、譲渡会に来られた方から名前を見るのが楽しみだというお声をいただいていました」
LINE配信では、譲渡会や写真展を実施する30日の「第1回奈良市どうぶつ愛護フェスティバル」を告知していると説明する。当日は犬9頭と約50頭の猫がエントリー予定で、LINEには最大9頭の個別情報を掲載している。
「今回、市秘書広報課の協力のもと管理する公式LINEでこのような反響を頂き、広報が拡がったことを喜んでいます」と伝えた。
4年連続「犬猫の殺処分ゼロ」
譲渡会については、「犬は高齢犬や犬に慣れた方に飼っていただく方がよい犬が多いため、希望者のみのご案内です。保護猫の譲渡会が中心です」とも述べる。23年度においては3回目になるという。
市は「犬猫の殺処分ゼロ」を掲げ今年で4年連続の達成となる。公式サイトによると、15年には譲渡ボランティア制度を開始。(1)保健所での引取数の減少(2)飼養の充実(3)譲渡の推進――に取り組んでいる。
一方で保健衛生課は、「子猫の収容が依然として多く、野良猫を不妊去勢手術して元に戻すTNR活動を推進しながら、保健所に収容した保護猫の譲渡事業を周知することが大切です」と説明する。
「ペットを迎える選択肢に保護猫を」としつつ、保護猫をめぐって下記のように訴える。
「保健所に収容される子猫のほとんどが、手術をしていない野良猫への無責任な餌やりによるものです。野良猫に餌を与える場合は、『置きエサをしない』『猫トイレの配慮』『野良猫にも不妊去勢手術(TNR)』をお願いします。奈良市では野良猫の不妊去勢手術の補助制度もあります」