「防犯カメラに映っていなければ、現行犯でないと難しい」
「近所に書店さんがあるということはとても幸せなことだと常日頃から感じています。私は、学生の頃に2年ほど書店でアルバイトをやっていたこともあり、書店さんの経営のご苦労は僅かですが理解しているつもりです。また、1冊の本や雑誌が店頭に並ぶまでには多くの方達の努力があります。万引きは書店さんの経営を直接圧迫するものですし、出版に携わっている人々の努力を水の泡にしてしまう行為と考えています。絶対にやめて欲しい」
ブックスタマを運営する大垣書店(京都市)では9月25日、取材に対し、店に掲示を出した理由をこう説明した。
「過去にも被害があって、少し正義感の強い店舗のスタッフが掲示したと聞いています。埼玉には、航空記念公園があって、客のニーズが多い航空雑誌が売れています。防犯カメラを付けていても、犯人は、カメラの位置を見ていますね。その視界に入ってこない死角で、巧妙に万引きされてしまいます」
店頭には、初めて掲示したが、過剰な掲示になっていたとして、24日までに取り止めたことも明らかにした。
書店業界では、平均して売り上げの1%が万引き被害に遭うという。ブックスタマでは、22年は被害が1%未満だったものの、「それでも、金額も金額ですし、いい思いはしません。店によっては、警備員を雇っていますが、それでもなかなか減らないですね」と漏らす。
「犯行後に、防犯カメラを巻き戻して映像が残っていれば、画像をプリントして警察に被害届を出します。警察に協力は求めていますが、防犯カメラに映っていなければ、現行犯でないと難しいです。今回は、犯人を特定できていません」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)