村上宗隆の今季低迷は「大谷翔平からの衝撃」が一因か ヤクルトOBが指摘する「WBC2つの影響」

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   プロ野球ヤクルト村上宗隆内野手(23)の6年目のシーズンが終わりに近付いている。今季は2023年9月21日時点で打率.258、30本塁打、80打点をマーク。本塁打はリーグ2位につけるが、3冠王に輝いた昨季に比べると打率(.318)、本塁打(56本)、打点(134点)すべての数字が落ちている。なぜ成績を維持できなかったのか。昨季と今季の違いはどこにあるのか。J-CASTニュースは、ヤクルトOBでコーチを務めた経験を持つ橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

  • 村上選手(写真:CTK Photo/アフロ)
    村上選手(写真:CTK Photo/アフロ)
  • 村上選手(写真:CTK Photo/アフロ)

「どことなく集中しきれていないように感じます」

   橋上氏は開幕から不振が続いたひとつの要因としてシーズン直前の3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を挙げた。

   村上は日本代表として出場し、準決勝のメキシコ戦では9回無死1、2塁の場面でセンターオーバーのサヨナラ打を放ち勝利に導いた。米国との決勝戦では1点を先制された直後の2回に同点アーチを放ち侍ジャパンの世界一に貢献した。

   橋上氏は「技術的なことでいうとWBCで同じ左バッターの大谷(翔平)選手に今まで受けたことのない衝撃を受けたと思います」とし、次のように分析した。

「国内では村上選手が他の選手に与えていた衝撃を大谷選手に感じたと思います。大谷選手の飛距離ですね。それがシーズンに入ってもなかなか抜けなかったのでしょう。春先に比べてだいぶ数字は上がっては来ているが、表情を見ていても冴えない。どことなく集中しきれていないように感じます。目の前の勝利や打撃の良し悪しで一喜一憂せず、気持ちが(大谷のいる)高いところに行ってしまっているように感じます」

   さらに「飛距離に対して衝撃を与えていた選手が、さらにすごいものを見てしまったことでバッティングに迷いが出たと思います。今まで以上に力むことによってヘッドスピードが走らなくなって飛距離が落ちたり、ミート率が下がったと思います」と解説した。

「燃え尽き症候群的なものがあったのではないでしょうか」

   もうひとつの要因をモチベーションとした。WBC13年大会で日本代表の戦略コーチを務めた経験を持つ橋上氏は、何人かの代表選手が大会後のシーズンで不振に陥った姿を見てきたという。

「WBCで世界一になったことで燃え尽き症候群的なものがあったのではないでしょうか。昨年の集中している時の表情と今シーズンの表情は明らかに違って見えます。ヒットを打った、ホームランを打った、凡打した時の表情がほとんど一緒に見えます。今年はあまり喜怒哀楽が出ていないように感じます。何をやっても満足できないという感じに見えます。ただ昨年よりも数字が下がったとはいえ、年齢を考えれば今年の数字は4番として合格点に近いと思います」

   チームは21日時点でリーグ5位につけ最下位中日とは1.5ゲーム差。今季は残り7試合で10月1日の巨人戦が最終戦となる予定だ。

   橋上氏は「来季は村上選手の真価が問われるでしょう」とし、「自分は自分というスタンスに戻れるか。フェンスを越えればホームランはホームランだということで切り替えられればいい。『今の飛距離でも十分なんだ』ということを認識できればいいと思います」と語った。

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