「最終便に乗り遅れた方はスイッチを押して下さい」無人島の緊急警告灯が話題 押すとどうなる?運営に聞いた

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   「緊急警告灯」「最終便に乗り遅れた方はこのスイッチを押して下さい」

   こう書かれた案内板の画像が、X(ツイッター)で話題となった。神奈川県横須賀市にある無人島・猿島にある案内板だという。緊急警告灯のスイッチを押すとどうなるのか、過去に使用した人はいるのか。J-CASTニュースは2023年9月20日、猿島への旅客船を運航するトライアングル(神奈川県横須賀市)に取材した。

  • 猿島
    猿島
  • 桟橋に設置された案内板(トライアングル提供、編集部加工)
    桟橋に設置された案内板(トライアングル提供、編集部加工)
  • 猿島
  • 桟橋に設置された案内板(トライアングル提供、編集部加工)

猿島へ船を出すと同時に海上保安庁などへの通報も行う

   横須賀市公式サイトによると、猿島は東京湾にある唯一の自然島で、市内の船乗り場から船を使って約10分で訪れることができる。かつて旧日本軍の要塞として使用されていた歴史を持ち、現在は砲台跡などの旧軍施設を見られるほか、釣りやバーベキュー、海水浴などのアクティビティも楽しめる。猿島の公式サイトによると9月20日現在、猿島からの最終便は夏季ダイヤ17時、冬期ダイヤ16時となっている(9月はイベント開催時のみ特別便の運航あり)。

   トライアングルは画像の案内板の真偽について「事実でございます。猿島に上陸した方が必ず最初に通る桟橋に1箇所、猿島ウェルカムセンター横に1箇所設置されております」と回答した。

   スイッチを押すと何が起きるのか。

「スイッチを押すと、猿島に設置してある赤色灯が回転します。猿島を視認できる位置に本社がありますので、赤色灯が光っていることを確認し、下記にある電話により本人と連絡をとったうえで、気象海象の安全の確認や人員の手配を行い、全てに問題がない場合猿島に向け船を出します(夜間の際などは周辺の船舶や海上保安庁から連絡が入る場合もあります)。

なお、桟橋に設置している案内板には、スイッチを押した後に必ず当社にお電話いただくよう案内しております。上記を行うと同時に、関係当局(海上保安庁や警察など)に通報いたします」(トライアングル、以下同)

   最終便に乗り遅れた場合に迎えの船を呼ぶことができる、というわけだ。当局に通報する理由については次のように補足した。

「そもそも猿島は都市公園条例により、宿泊が禁止されております。最終便以降は島に滞在することができず、行き帰りの乗船者数を厳密にカウントしております。このような事実も踏まえ、不法な夜間滞在者がいた場合には、関係当局に通報させていただいております」

最終便の案内を理解できなかった外国人が使ったケースも

   桟橋に設置された案内板には「別途費用を申し受けます」と記載されている。トライアングルは金額について明記しておらず

「その時稼働できる船や、必要な人件費などによって変わってきますので、ここでは明確な回答はできません」

と回答した。

   過去に緊急警告灯が使われた例があるかどうかについては「ございます」という。

「ただ、日本人の割合はかなり低く、最終便の案内を理解できなかったなど外国人の方のケースがほとんどです。頻度も高いわけではなく、2年に1度程度です」
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