オリックスが2023年9月20日のロッテ戦(京セラドーム)で6-2と逆転勝利を飾り、本拠地でリーグ3連覇を飾った。
2位・ロッテに14.5ゲームの大差をつける戦いぶりは、王者の風格が漂っていた。
「実力主義で結果を出せば起用してもらえる」
最大で4連敗が1度のみと大型連敗が一度もなく、白星を順調に積み重ねた。その原動力は投手陣だ。
山本由伸、宮城大弥は共に3年連続2ケタ勝利をマーク。左腕・山崎福也が自己最多の9勝を挙げたほか、若手も次々に頭角を現した。高卒3年目の山下舜平大が9勝、育成入団で昨年に支配下昇格した東晃平が無傷の6連勝。救援陣も山崎颯一郎、宇田川優希、阿部翔太、平野佳寿、小木田敦也、比嘉幹貴、山田修義に加えて先発からシーズン途中に配置転換された山岡泰輔も安定感あふれる投球を続け、「勝利の方程式」が複数パターン作ることが可能に。質、量共にリーグ屈指と言えるだろう。
中嶋聡監督の采配も光る。打線の中軸を担っていた吉田正尚がポスティング・システムでレッドソックスに移籍したことに伴い、得点力低下が懸念されたが、今季は130試合時点で122通りと昨年までと同様に「日替わり打線」で選手の状態を見極めて起用。森友哉、中川圭太、頓宮裕真がポイントゲッターとなり、リーグ2位の466得点を叩き出した。
スポーツ紙記者は、「中嶋監督の強みは相手を見て戦い方を柔軟に変えられるところです。リリーバーもコンディション、相手打線との相性を考えながら起用する。打線も旬の選手を絶妙なタイミングで使う。実力主義で結果を出せば起用してもらえるので、ファームの選手たちもモチベーションが高い。球史に残る名将でしょう」と絶賛する。
黄金時代がしばらく続きそうだ。
(中町顕吾)