「うわさが流れて『しゃべれるぞ』と...」 やり投げ金・北口榛花、なぜチェコ語で取材を?実現秘話明かす

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   ハンガリー・ブダペストで2023年8月に開かれた陸上の世界選手権で金メダルを獲得した女子やり投げの北口榛花(はるか)選手(25)=JAL=が9月19日に凱旋(がいせん)帰国し、羽田空港内の格納庫で記者会見した。

   北口選手はチェコを拠点に活動。世界選手権では初めてチェコ語でインタビューに応じ、日本でも大きな反響を呼んだ。普段は英語で取材に対応しているが、チェコ語を「しゃべれるぞ」という情報がテレビ局側に伝わってチェコ語インタビューが実現したという。チェコ語は日本語よりも感情を込めやすいとして、「感情をしっかり乗せてしゃべるように心がけている」そうだ。

  • 北口榛花選手。世界選手権の金メダルを首にかけ、DLのトロフィーを手に記者会見に臨んだ
    北口榛花選手。世界選手権の金メダルを首にかけ、DLのトロフィーを手に記者会見に臨んだ
  • 記者会見は羽田空港内の格納庫で開かれた
    記者会見は羽田空港内の格納庫で開かれた
  • 北口榛花選手。世界選手権の金メダルを首にかけ、DLのトロフィーを手に記者会見に臨んだ
  • 記者会見は羽田空港内の格納庫で開かれた

メールで直談判、チェコ出身のコーチに師事

   北口選手は8月の世界選手権に続いて、9月に行われた世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)ブリュッセル大会で優勝。米国で開かれ、上位者のみが出場したDL「ファイナル」で日本勢として初めて年間女王になった。世界選手権を制したことで、24年のパリ五輪代表が内定している。

   北口選手の活躍は、競技に詳しくない人の間でも広く知られるようになった。世界選手権で決勝進出を決めた直後の8月24日、X(旧ツイッター)に投稿した内容がきっかけだ。チェコ語でインタビューに応じる動画とともに

「チェコのテレビ局、いつも英語にする?チェコ語にする?って聞いてくれるんだけど。いつもは英語にしてもらってたけど、今日はチェコ語でチャレンジしました」

と書き込み、7500件以上「いいね!」がついた。その実力は、在京チェコ大使館にある「チェコセンター東京」が日本語で「いい感じじゃないですか!」、チェコ語で「チェコ語が上手ですね!」と返信するほどの折り紙付きで、北口選手はチェコ語で「ありがとう」と返信していた。

   北口選手は日大3年生だった18年秋に参加したフィンランドの国際講習会で、「やり投げ大国」として知られるチェコ出身のダビッド・セケラックコーチの指導法に興味を持ち、メールで交渉。19年から師事している。

チェコ語は「日本語よりちょっと感情が込めやすい」

   記者会見には、世界選手権の金メダルを首にかけ、DLのトロフィーを手に臨んだ。記者の質問に対して、チェコ語は「あんまり流ちょうではない」と謙遜する一方で、「日本語よりちょっと感情が込めやすい」と説明。チェコ語や英語は「あまりしゃべれない分、感情をしっかり乗せてしゃべるように心がけている」という。

   チェコのテレビ局も、これまでは「気を遣って」英語で質問していたが、「多分コーチか周りの人からか、たくさんうわさが流れて『しゃべれるぞ』という話を聞いたんだと思う」。インタビューの反響はチェコ国内でも大きく、チェコ陸連からもチェコ語動画の依頼があるほど。「少しでもチェコの皆さんとの距離も近くなれば」と笑顔を見せていた。

   チェコ語の基礎はオンライン講座で学んだが、その後はコーチと話したり、チームメイトやコーチの子どもの会話を聞いたりして実践。レストランで他のお客がオーダーする様子も良い教材で、「そういうのを全部頑張って耳をそばだてて聞いて、少しずつ会話はできるようになってきた」そうだ。課題は書き言葉で、「スペルが間違っていてコーチから訂正の文が送られてくる」。競技同様、チェコ語でも指導を仰いでいく考えだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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