アメリカなど海外のスターバックスで提供される犬用のメニューとされている「パプチーノ(puppuccino)」を自身の飼い犬に与える動画が、「かわいい」とする一方で、パプチーノは人が食べるホイップクリームを犬に与えているもので、犬の健康に良くないなどとXで話題となった。発端となった動画投稿は2023年9月19日現在、削除されている。
パプチーノの安全性について専門家は「健康な犬に一時的に与えることについては、おそらく問題は生じないと思われます」としつつ、「与え過ぎには気を付けなければなりません」という見解を示した。
米スターバックス「公式メニューではありません」
Xやインスタグラムで「puppuccino」と検索すると、犬がスターバックスのミニカップに入ったホイップクリームを舐めている画像や動画が多数ヒットした。
パプチーノについて、アメリカのスターバックス本社はJ-CASTニュースの取材に対し、次の通り回答した。
「パプチーノはカップまたは蓋の上にホイップクリームが入っています。こちらはスターバックスの公式メニューではありません。ただし、お客様はドリンク用に追加のホイップクリームを注文することができ、犬のためにこれを注文するお客様も見られます」(原文は英語)
投稿者の犬は健康に変化なし
冒頭の動画投稿者によると、飼い犬とともにハンガリーにあるスターバックスの店舗にいたところ、店員がパプチーノを持って勧めてきたという。
「パプチーノ自体は私が注文したものではなく、人間の飲み物を購入して店内にいたところ、店員さんが自主的に持ってきてくださいました。クロアチアやハンガリーでは犬が同伴できるカフェが非常に多く、中には犬用のお水を持ってきたり犬のおやつをくれるカフェもあるため、この店員さんの行動もあまり変には思いませんでした。『犬用なんだけど食べる?』と英語で言われ、糖分が気になったので砂糖は入っているのかと聞いたところ、少しだけという回答でした」
その後の飼い犬の様子については
「店員さんが最初に愛犬に差し出してくれたのですが、警戒することなく即舐め始めました。その後はいっきに舐めきってしまったのです。幸い下痢や嘔吐などの体調不良もなく、元気に過ごしております。うんちの状態もいつも通りです」
と、健康に問題はなかったとした。
投稿者は寄せられた批判に対し、「犬用だということと、スターバックスが提供するものなので大丈夫なのだろうと過信してしまったのは反省しております」とコメントした。
投稿者がスターバックスに問い合わせて得た回答は
投稿者は、自身でもパプチーノの成分と安全性についてアメリカのスターバックスに問い合わせたという。公式サイトのチャット機能で質問したところ、次のような回答があった。
「平均的なスターバックスのパプチーノには1~2オンス(編注:約28.3~56.6g)のホイップクリームが含まれており、サイズに関係なくほとんどの犬にとって安全です。ホイップクリームにも空気がたっぷり含まれています。したがって、犬に時々ホイップクリームを少量与えても、重大な健康リスクを引き起こすことはありません。スターバックスのパプチーノは、エスプレッソカップにホイップクリームが入ったシンプルなものです。こんなところでしょうか!
ホイップクリームには、クリーム、牛乳、モノグリセリドおよびジグリセリド、カラギーナンが含まれています。
砂糖:3~6g
カロリー: 120-240
炭水化物: 4-8g
たんぱく質:1~2g」(原文は英語)
専門家は「与え過ぎには気を付けなければなりません」
J-CASTニュースはこの回答を踏まえ、一般社団法人ペットフード協会に、犬に与えても問題ないかを取材した。同協会は上記のスターバックスの回答のほか、インターネットでパプチーノについて調べたとし、次のように回答した。
「主食をきちんと与えている健康な犬に対して一時的に与えることについては、おそらく問題は生じないと思われます。しかしながら、犬は牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が離乳後に少なくなるので、下痢を起こす可能性があります。与え過ぎには気を付けなければなりません。また、与えて下痢をした場合は控えた方がよいでしょう」