働く親、認定こども園の「平日行事がキツい」 嘆く声に専門家同感「保護者の就労状況に配慮するのは基本」

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   認定こども園に子どもを通わせているというユーザーがX(ツイッター)で「平日に親子行事を入れられると仕事の調整が難しくきつい」という旨の投稿をし、共感の声が寄せられた。働く親のこうした嘆きに、専門家も「園側の都合で『仕事をお休みしてください』というのはなるべく控えるべき」という見解を示す。

  • おもちゃで遊ぶ子ども(イメージ)
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  • 内閣府公式サイトより
    内閣府公式サイトより
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認定こども園が「制度の趣旨まで考えられていない場合もあります」

   投稿に対するコメントには、「もともとが幼稚園の認定こども園だと平日に行事を入れられることが多い」とする声も寄せられた。

   保育園を考える親の会アドバイザーで保育ジャーナリストの普光院亜紀さんは2023年9月15日、J-CASTニュースの取材に、こうした指摘に「幼稚園事業者が運営する認定こども園は、今までの延長線上で行事を平日にしたり親を呼んだりするといった声は耳にします」と同意。さらに同会会員からは、「別途取られる費用が多い」「お昼寝がなく子どもが疲れてしまうなど生活面の配慮が足りない」「午後の時間にビデオを見せるなど、単なる『預かり』になってしまっている」などの相談が寄せられたことがあるとした。

   普光院さんは認定こども園について次のように説明する。

「2015年から『子ども・子育て支援新制度』が実施されて、認定こども園の制度が新しくなり、幼保一体化が本格化しました。新制度では、従来幼稚園に通っていたような、お昼ぐらいまでの保育しか受けない3歳以上児が1号認定。親が働いているなどの事情があって(家で)子どもを保育できない場合に、保育の必要性を認定して、そのうち3歳以上児が2号認定、3歳未満児が3号認定となります。保育所は2号、3号認定の子どもが、幼稚園は1号の子どもが対象です。認定こども園は、1、2、3号どの子どもも保育するというのが、新制度の趣旨です」

   共働き世帯の増加により「幼稚園に通う人数が減っているので、幼稚園が認定こども園に切り替えている」現状があるという。

   もともと幼稚園だった認定こども園が平日に行事を設定する理由については、「幼稚園的に(今まで)やってきたのでそれでいいと事業者が思い込んでいる場合もありますし、制度の趣旨まで考えられていない場合もあります」という。

   普光院さんはそのような体質の認定こども園に対し、もっと共働き世帯に配慮すべきとした。

「本来の制度の趣旨からすると、2号認定、3号認定というのは、就労等で保育の必要性を認められた家庭です。そのため、園側の都合で『仕事をお休みしてください』というのはなるべく控え、保護者の就労状況に配慮するというのは基本だと思います。

就労家庭のお子さんも保育したいという園側のニーズがあって認定こども園になっているはずなので、そこはきちんと覚悟していただかないといけないと思います。保護者は自由にお休みを取れるわけでもないし、子どもは病気もするので行事のために有給休暇を使い果たすわけにもいかない。その点は理解していただく必要があります」

   Xでは「その認定こども園を選んだのは自分ではないか」などの意見もあったが、普光院さんは自己責任で片付けないでほしいとした。

「『行事でこれだけお休みしなければなりません』ということは、大抵は入園前にお知らせされていないはずです。認定こども園は働いているご家庭が利用できると説明されているのですから、そんなことになるとは保護者は思っていません。説明とは違う内容で選ばされているわけで、自己責任論はおかしいと思います」
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