国民民主幹部、記者に「公開説教」も批判続出 内閣改造巡り「もう女性が何人とかいう時代じゃない」

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   岸田文雄首相は2023年9月13日に行った内閣改造で、過去最多に並ぶ5人の女性閣僚を起用する一方で、15日に発表された副大臣26人と政務官28人の人事では女性の起用はゼロだった。

   連立入りの可能性が指摘され続けた国民民主党は、引き続き与党との距離感が問われる局面だ。そんな中で玉木雄一郎代表と榛葉賀津也幹事長が対照的な反応を見せた。榛葉氏は2023年9月15日の記者会見で「もう『女性が何人』とか、そういう時代じゃないと思うよ?」と数にこだわらない考えを示す一方で、玉木氏は9月19日の記者会見で、女性起用ゼロは「非常に残念」だと話した。榛葉氏の発言をめぐっては、問題の所在を理解していないとして批判の声も相次いでいた。

  • 記者会見する国民民主党の榛葉賀津也幹事長(写真は国民民主党の配信動画から)
    記者会見する国民民主党の榛葉賀津也幹事長(写真は国民民主党の配信動画から)
  • 記者会見する国民民主党の榛葉賀津也幹事長(写真は国民民主党の配信動画から)

「こういうジェンダーの数をうんぬんしてるのは日本だけですよ」

   9月15日に開かれた榛葉氏の記者会見では、副大臣・政務官に女性が起用されなかったことについて朝日新聞の記者が質問し、榛葉氏は

「朝日新聞さんは、いい記事たくさん書くけども、もう『女性が何人』とか、そういう時代じゃないと思うよ?女性が多いからいいとか閣僚に女性が何人とか、副大臣・政務官に女性がいないとか、こういうジェンダーの数をうんぬんしてるのは日本だけですよ」

と反応。次のように話し、今回の人事を特段問題視しない考えを示した。

「普通に優秀な女性男性、関係なくどんどん登用する。しかし、そのためにも、女性の国会議員が少なすぎるね。みんなにチャンスを与えて、ジェンダー関係なく、政治の舞台で活躍できる環境作りをしなければならないし、大臣・副大臣・政務官に女性が何人、その数で評価するつもりは、私はございません」

   この発言を切り取った動画はX(旧ツイッター)を通じて拡散。批判の声が相次いだ。

「いえ、正にそういう時代だ。その場に姿が見えない人には予算を積む権限もなく人事を動かし、難しい相手を説き伏せるだけの装備を与えられていません」(日本文学研究者のロバート・キャンベル氏)
「その環境がまだ作られていないことが問題では?その環境を作る場所に女性がいないから、だからいまだにその環境が整わないのでは」(矢口まゆ・町田市議会議員(維新))
「この異常な状況をおかしいと思えない感覚がおそろしい...」(石森愛・練馬区議会議員(立憲))

「『作られた能力差』というところもあって...」

   その4日後に行われた玉木氏の会見では、対照的とも言える見解が示された。玉木氏いわく、女性5人が入閣したことが「とにかく唯一の目玉」だった一方で、副大臣・政務官がゼロだったことで、「帳消し以上になってしまっているのではないかなと...。これ、非常に残念だと思いますね」。人事は「適材適所」だとする政府の常とう句には、

「適材適所なんだと思いますが、人口の半分は女性なので、それがある程度反映されたものになっていくことが理想だと思いますし、『能力がある人を選んだら男性だった』と言うんですけど、ただ何て言うんですかね...?」

などと違和感を口にし、制度上問題があれば見直しが必要だとした。

「『作られた能力差』というところもあって、キャリアを重ねていくとか重要なポストを経験することで、初めて人脈ができたりとか、いろんな能力が身についてくるが、そういうところになかなか女性がつきにくいとか、あるいはそもそも、これは政治の世界に限られないが、キャリアアップをしていくことについて様々な見えざる壁があるということは日本社会に長く言われてきた問題。制度上、また構造上問題があることについては絶えざるチェックをして見直しを図っていくことが必要ではないか」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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