夕刊の「休刊ドミノ」が止まらない 道新は25万部あるも決断...背景に「セット割れ問題」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

「新聞離れ」よりハイペースな「夕刊離れ」

   道新についていえば、夕刊の部数は必ずしも少ないとは言えない。日本ABC協会がまとめた22年下期(7~12月)の平均販売部数によると、道新朝刊は84万2089部、夕刊は25万3415部。信毎は朝刊41万1884部、夕刊2万2194部だ。

   減少が続く部数は、コロナ禍の3年でも右肩下がりだ。ただ、そのペースは朝刊と夕刊で大きな差がある。19年下期をみると、道新は朝刊が94万0237部、夕刊が37万0373部だった。つまり、3年で朝刊は10.4%、夕刊は31.6%減っている。信毎は朝刊45万4813部、3万6033部。朝刊9.5%、夕刊38.4%の減少幅だ。

   新聞業界では、朝刊または夕刊の片方しか購読しない「セット割れ」が問題化してきた。朝夕刊両方を購読する「セット率」をみると、19年下期は道新39.4%、信毎7.9%だった。ところが、3年後は道新30.1%、信毎5.4%に下落している。「新聞離れ」よりペースが速い「夕刊離れ」が休刊につながったとみられる。

   道新の夕刊休刊は、他紙の動向に影響を与える可能性もある。朝日や読売といった全国紙の一部も道内で夕刊を発行しているが、複数社の新聞を扱う「併売店」が配達する場合もあるためだ。道新が抜けた後も他社の夕刊を配達できるだけのネットワークを維持できるかが課題になりそうだ。

   2紙が夕刊休刊を発表したことで、引き続き朝夕刊の両方を発行するブロック紙と県紙は、河北新報(宮城)、東京新聞(東京)、新潟日報(新潟、タブロイド判の「Otona+(おとなプラス)として発行)、北陸中日新聞(石川)、北國新聞(石川)、中日新聞(愛知)、京都新聞(京都)、神戸新聞(兵庫)、西日本新聞(福岡)の9紙を残すのみだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

1 2
姉妹サイト