岡田阪神、昨季までとの「決定的な違い」とは 「数字で明らか」「得点力上げる要因に」専門家指摘

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   プロ野球阪神が2023年9月14日、甲子園球場で巨人を4-3で下し18年ぶり6度目のリーグ優勝を果たした。就任1年目の岡田彰布監督(65)はいかにしてチームを頂点に導いたのか。昨季との違いはどこにあるのか。J-CASTニュースは、巨人、ヤクルト、西武、楽天でコーチを歴任した橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

   橋上氏は今季の特徴として四球の多さを挙げた。14日時点でリーグ最多の452個を記録。2位はヤクルトの406個で、最少は中日の273個だ。昨季の358個と比較すると飛躍的に伸びている。出塁率は昨季の.301を上回る.324で得点(504点)とともにリーグトップに立っている。

  • 阪神の本拠地・甲子園球場
    阪神の本拠地・甲子園球場
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「明らかに変わったのが攻撃力」

「投手力はトータルすると昨年とあまり変わっていない。その中で明らかに変わったのが攻撃力です。フォアボールが昨年と比べて圧倒的に改善できている。チーム打率はメンバーが大幅に変わらないかぎり急に上がるものではないが、フォアボールは意識の持ち方で飛躍的に向上する。フォアボールイコール出塁率で、これが得点力を上げる大きな要因となっている。打率やホームラン数は変わらないけれども得点できるようになった」

   さらに「ここまで数字が明らかに違うということはシーズン前からチーム単位でそういう話を選手にして、チーム全体に考え方が浸透していったのだと思います」とし、「フォアボールが増えるとツーストライクからの勝負が多くなるので三振も増える。フォアボールと三振は表裏一体だが、阪神の打者はツーストライクに追い込まれたら少し打撃のスタイルを変え、ファールを打ったりポイントを近付けたりしてできるだけ選球を良くするなど各々が工夫しているのが感じられた」と分析した。

   橋上氏は12年に巨人の戦略コーチを務めていた際、チームとして四球を意識するよう心掛けていたという。結果、四球数は前年の323個から455個に増えてリーグ優勝を果たし、日本シリーズを制して日本一に輝いた。一方で三振を嫌う監督もおり、四球を増やす戦略は「チームとして三振が増えることを容認できるかどうか」とした。

   リーグ制覇のひとつの要因として中長期的なチーム作りが成功したと指摘した。

「クリーンアップをみると、ドラフト1位で取った選手が多い。チームの戦略的なところを含めて成果が表れている。チーム構成を中長期的に考えたドラフト戦略が成功していると思います」

   優勝を決めた14日のスタメンをみると、1番・近本光司外野手(28)、3番・森下翔太外野手(23)、4番・大山悠輔内野手(28)、5番・佐藤輝明内野手(24)がそれぞれドラフト1位で入団している。

   橋上氏は「野手も投手も比較的若い選手が多く、連覇も十分にあり得るでしょう」と語った。

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