高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
岸田改造内閣、女性閣僚最多タイだけではない「重要ポイント」

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   岸田文雄首相は2023年9月13日に内閣改造と自民党人事を行ったが、その顔ぶれを受けて、支持率は上がるのか、次期衆院選に向けた展望は開けるのか。

  • 岸田文雄首相
    岸田文雄首相
  • 第2次岸田第2次改造内閣 閣僚名簿。首相官邸の公式サイトから
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最多の女性閣僚とともに、多様性というリベラル色も

   今回の内閣に起用される閣僚の顔ぶれは、留任6人、再入閣2人、初入閣11人となっている。

   女性の入閣は5人で、2001年の小泉内閣と2014年の安倍内閣と並んで、これまでで最も多い。まず、これは今回の改造の目玉である。

   留任は、重要閣僚の鈴木俊一財務相、西村康稔経産相、松野博一官房長官、総裁選を争った高市早苗経済安全保障相、河野太郎デジタル相、公明党枠の斎藤鉄夫国交相。党の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長とともに、政権骨格は動かせない。ここまでは想定内である。

   再入閣は上川陽子外相、新藤義孝経済再生相。筆者はここも改造内閣のポイントだと思う。将来の首相候補で同じ岸田派閥の林芳正氏に代えて、やはり岸田派の上川氏をあてた。ライバルでもある林氏を閣内で縛る必要はないとともに、女性閣僚5人で過去最高と同じを狙ったのだろう。新藤氏は、LGBT法国会成立での論功行賞だろう。これで、最多の女性閣僚とともに、多様性というリベラル色を出している。

   初入閣は、鈴木淳司総務相、小泉龍司法相、盛山正仁文科相、武見敬三厚労相、宮下一郎農水相、伊藤信太郎環境相、木原稔防衛相、土屋品子復興相、松村祥史国家公安委員長、加藤鮎子少子化相、自見英子地方創生相。それぞれの当選回数は、加藤少子化相、自見地方創生相の2人の女性を除くと、衆院5期、参院3期以上の入閣待機組だ。目玉の抜擢は加藤少子化相、自見地方創生相の2人の女性だ。

待機組からサプライズも可能

   入閣待機組は自民党内に70人ほどいるので、その処遇が大変だ。これが、内閣改造をすればするほど、政権の力は弱くなるといわれる所以だ。

   一方、解散をすればするほど政権の力は強くなるともいわれる。総選挙に勝つためには、内閣改造での党内の不満を最小限にしつつ、サプライズが必要だ。このため、抜擢しやすい女性を増やすという戦略になる。今回の岸田改造内閣も、過去にならっている。

   女性閣僚を使わずとも、待機組からサプライズも可能だ。衆院6回当選で積極財政の城内実氏や新技術の平将明氏を入閣させるという手もあった。財務省ベッタリ批判やデジタル加速の好印象が期待できた。

   木原誠二氏を官房副長官から外さざるを得なかったが、その代わりに同じ岸田派で、財務省出身の村井秀樹氏を官房副長官にしたくらいだ。さらに、積極財政の国民民主の玉木雄一郎氏の入閣という話もあったが、このくらいの荒療治でもないと、なかなか政権支持率を劇的に上昇させるのは難しいのではないか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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