待機組からサプライズも可能
入閣待機組は自民党内に70人ほどいるので、その処遇が大変だ。これが、内閣改造をすればするほど、政権の力は弱くなるといわれる所以だ。
一方、解散をすればするほど政権の力は強くなるともいわれる。総選挙に勝つためには、内閣改造での党内の不満を最小限にしつつ、サプライズが必要だ。このため、抜擢しやすい女性を増やすという戦略になる。今回の岸田改造内閣も、過去にならっている。
女性閣僚を使わずとも、待機組からサプライズも可能だ。衆院6回当選で積極財政の城内実氏や新技術の平将明氏を入閣させるという手もあった。財務省ベッタリ批判やデジタル加速の好印象が期待できた。
木原誠二氏を官房副長官から外さざるを得なかったが、その代わりに同じ岸田派で、財務省出身の村井秀樹氏を官房副長官にしたくらいだ。さらに、積極財政の国民民主の玉木雄一郎氏の入閣という話もあったが、このくらいの荒療治でもないと、なかなか政権支持率を劇的に上昇させるのは難しいのではないか。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。