ジャニーズから得た利益全て寄付へ 「性加害の上に成り立っていた会社の繁栄の一端を担った」音楽レーベル社長が決断、称賛相次ぐ

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   音楽レーベルの「origami PRODUCTIONS」「ASTERI ENTERTAINMENT」を擁する株式会社FRAGMENTのCEO・対馬芳昭氏が2023年9月12日、ジャニーズ事務所創設者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、ジャニーズ事務所との仕事を通して現在までに受け取った営業利益を寄付することを発表した。

  • 記者会見に登壇した井ノ原快彦さん、東山紀之さん、藤島ジュリー景子前社長、木目田裕さん
    記者会見に登壇した井ノ原快彦さん、東山紀之さん、藤島ジュリー景子前社長、木目田裕さん
  • 対馬芳昭氏のツイッターより
    対馬芳昭氏のツイッターより
  • 記者会見に登壇した井ノ原快彦さん、東山紀之さん、藤島ジュリー景子前社長、木目田裕さん
  • 対馬芳昭氏のツイッターより

「『全く把握していなかった』と言ってしまうとそれは完全な嘘になります」

   対馬氏は12日、X(ツイッター)およびnoteで、喜多川氏による性加害問題に関し、「取引先であり同じ音楽業界にいる私もこの件に向き合い、反省する必要があると強く感じております」とした。

   ジャニーズ事務所とは不定期ながら2014年から仕事をしており、「弊社に残った営業利益は過去を遡ったところ、約86万円になります」という。主な仕事内容としては「ツアーバンドや楽曲アレンジに対する対価」で、「作詞、作曲、プロデューサー印税はありません」とした。

   対馬氏は「『この件を知っていながら仕事をしたのですか?』という問いに対し、嘘偽りなく答えるのであれば『知っておりました』と言わざるを得ません」と告白。喜多川氏に会ったことはなく性加害の現場を見たこともないものの、「ネットなどを通じて過去に沢山の方々が被害を訴えている事は把握しておりました。取引先という近い距離だからこそ細かい部分まで把握していたという事はありませんが『全く把握していなかった』と言ってしまうとそれは完全な嘘になります」と説明した。

   ジャニーズ事務所の発表を受け、「弊社は『性加害の上に成り立っていた会社の繁栄の一端を担った』」「逆に『弊社の繁栄の一部もジャニーズ事務所からの売上である』」「被害を訴えている方々がいるのにも関わらず気を止める事なく利益を優先した」とし、「どんな理由があれど、その事実に向き合う必要があります」と考えたという。

   こうした問題について「クラスにいじめがある噂を聞いているが、それを誰にも報告する事なく静観する事は結果として加担している事になります。もちろん子供であれば恐怖からそういった行動を取れなかったという事はあると思いますが、大人である私は加担した側にいたという事を認識すべきだと考えております」とし、反省をつづった。

   ジャニーズ側から得た86万円は、虐待に悩む子どもなどを支援する団体に寄付するとし、「長きに渡り被害に遭った方々の声を無視し、利益を優先した事に関してここで謝罪いたします」と述べた。

「しっかりと対応するってどう言う事なのか、考えさせられる...」

   対馬氏の決定について、SNSでは賞賛の声が多く上がった。

   対馬氏は自身を評価する声について「沢山のご意見をいただき皆様のお言葉に救われておりますが、今回私は反省する側におります」とし、noteに寄せられた支援についても「私ではなく虐待や貧困など様々な問題に直面し、自分ではどうする事もできない弱い立場の子供達に支援しようと思います」と寄付する意向であるとした。

   対馬氏は、関係者や所属アーティストらの反応にも返信している。

   音楽プロデューサーの松尾潔氏は対馬氏の声明を引用した上で、「対馬さんの社会的行動は今に始まったことではなく、コロナ禍の2020年4月にも、ご自身の個人資産2,000万円を全て音楽シーンに寄付する意向を発表されました。尊敬に値するミュージックマンです。......つーか、オリガミの音と動きは最高なんだから!」と投稿した。

   対馬氏は「松尾さんの行動を見て自分を省みました。松尾さんの行動で気付いた事がたくさんありました」としている。

   同社所属のギタリストでプロデューサーの関口シンゴ氏は「自分で考えて自分なりの行動をする、という当たり前だけれどとても難しいことを実践して、所属アーティストにもその姿勢を常に見せ続けてくれるボス。自分も一人の大人として親として、子供や弱い立場の人を助けられるような人間でいたい(なりたい)と改めて思います」とした。

   対馬氏は「子供の被害は本当に親として耐え難いです。。。なぜここまで長きに渡り自分も何もしなかったのか、反省です。。。」と率直な胸中をつづった。

   キーボーディスト・トラックメーカーのKan Sano氏による「世界一信頼できるうちの社長」とのコメントには、「ありがとう。でも今回は本当に自分が至らなかった。悔やまれる事がたくさんあります。被害にあったのは子供だからね。。。」と反省を述べている。

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