「汚染魚」はNG、だけど「汚染水」はOK 共産党に「二枚舌」批判

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   共産党の小池晃書記局長は2023年9月11日の記者会見で、次期衆院選で新広島6区から立候補を予定していた村井明美氏の立候補を取り下げると発表した。村井氏は、国内産の魚を食べようと呼びかけるX(旧ツイッター)の書き込みに対して「汚染魚」という単語を使って批判。「汚染魚」という表現に批判が相次ぎ、村井氏は書き込みを削除して陳謝していた。

   小池氏は「汚染魚」の表現は「我が党の見解とは全く反する」として陳謝。一方で、東京電力福島第1原発で出た処理水を「汚染水」だと表現していることについては、「きちんと科学的だと思う」として継続していく考えだ。

  • 削除された村井明美氏の書き込み(下)。日本の魚を食べるように呼びかける櫻井よしこ氏の書き込みを「汚染魚」という表現で批判している
    削除された村井明美氏の書き込み(下)。日本の魚を食べるように呼びかける櫻井よしこ氏の書き込みを「汚染魚」という表現で批判している
  • 削除された村井明美氏の書き込み(下)。日本の魚を食べるように呼びかける櫻井よしこ氏の書き込みを「汚染魚」という表現で批判している

書き込みの直後に「中央の書記局として」削除と謝罪を指示

    問題の書き込みは9月7日付。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が「高島屋で新鮮な魚を買ってきたわよ」という声を紹介し、「こんなふうに輪を広げて、魚や貝をたくさん食べて、明るく幸せになって、中国に勝ちましょう」と呼びかけた。村井氏がこのポストに返信する形で、

「高島屋に行ける方は、ごくわずかの方たちです。どうぞ、もっとしっかり汚染魚を食べて、10年後の健康状態をお知らせください」

と批判した、という経緯だ。

   翌8日には書き込みを削除し、ブログで陳謝。

   「今後、誰一人として、遅発性の内部被ばくを含め、放射能の犠牲者は出てほしくないというのが私の本意です」 だと説明していた。

   小池氏は記者会見で、村井氏の「汚染魚」の書き込みは「我が党の見解とは全く反する中身」だとして、書き込みの直後に「中央の書記局として」削除と謝罪を指示したことを明らかにした。村井氏から立候補辞退の申し出があり、常任幹部会で承認したと説明した。小池氏は

「公認したのは中央本部の責任だ。私からも関係者の皆さんに謝罪をしたい」

と話した。

「汚染水という言葉を使ってはいけないかのような、そういう議論は...」

   一方で、処理水を共産党が「汚染水」と表現していることについては、「きちんと科学的」だとして継続する考えだ。

「汚染水という言葉を使ってはいけないかのような、そういう議論は、我々はくみするものではない。やはりきちんと科学的だと思いますよ?」

   「科学的」である理由について、

(1)通常の運転に伴う原発のトリチウム水とは違う
(2)原発事故に伴う様々な核種が含まれている水を放出したことは歴史上ない

という2点を挙げた上で、

「言い方を変えれば危険性が除去されるかのようなことは、ちょっとそれは違うのではないか」

とした。

「中国が主張していることを是とするわけではない。中国が言っていることが正しいというつもりはない」

とも主張した。

   この共産党の対応には、早速批判が出ている。国民民主党の玉木雄一郎代表は9月12日の記者会見で、「汚染魚が駄目なら汚染水も駄目なんじゃないですか?」。その上で

「なんで汚染水がOKで汚染魚が駄目なのかよく分からないし、それであれば、『汚染水』と言う人は全員公認外すべきじゃないですかね」

と切り捨てた。「汚染水」「汚染魚」という表現は「国益に反している」として、

「中国と同じような主張を国内からするべきではないと思う」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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