ドイツサッカー連盟(DFB)は2023年9月10日、ドイツ代表ハンジ・フリック監督(58)を解任したことを発表した。複数の地元メディアが報じた。9日に地元ウォルフスブルクで行った日本との国際親善試合の敗戦を受けての決断だった。
試合は前半11分にMF伊東純也(30)が先制ゴールを決め、8分後に同点に追いつかれるも22分にFW上田綺世(25)のゴールで勝ち越し。後半45分、47分にも立て続けに得点し4-1で完勝した。22年ワールドカップ(W杯)カタール大会に続く勝利だった。
「日本選手は良い役割を果たした」
スポーツ紙などの報道によると、ドイツは国際Aマッチで38年ぶり3連敗。W杯後の国際親善試合は6試合で1勝1分け4敗となった。W杯は2大会連続で決勝トーナメント進出を逃している。
地元メディア「WELT」(WEB版)は、1対4という「恥ずかしい結果」を残した試合は、フリックにとってドイツ代表監督としての最後の試合となったとし、連盟の判断は「正しい」と評価した。
日本戦はここ最近のドイツ代表の「悲惨なパフォーマンスの結果」だと指摘。14年W杯ブラジル大会で優勝したが、約10か月後に本拠地で欧州選手権(UEFA EURO 2024)を控える今、「ドイツはもはや世界サッカーの要素ではなくなった」と解説した。
「TAGESSPIEGEL」(WEB版)によると、MFヨシュア・キミッヒ(28)が試合内容に関して「コーチや他の誰かを非難するような話ではない」とコメントしたとし、FWトーマス・ミュラー(33)は「日本選手は良い役割を果たした。現在世界のトップ10から15に入っていることは間違いない。現時点では我々はそこに属していない」と評価したという。
「この時点での解任は妥当」
地元メディア「WELT」が「正しい」と評した今回の電撃解任を日本のサッカー記者はどのように捉えたのか。J-CASTニュースは、スポーツ紙でサッカーを担当し多くの国際試合を取材した経験を持つ記者に話を聞いた。
「この時点での解任は妥当だと思います。ここ最近のW杯では結果を残しておらずファンのフラストレーションがたまっているように感じます。欧州選手権まで1年を切っている状況で、チームを立て直す時間は多くはありません。カタール大会後の悪い流れを断ち切るためにも指揮官の交代はやむを得ないと思います」
西ドイツ出身のフリック監督は現役時代、地元ブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘンなどでプレー。引退後はドイツ代表のアシスタントコーチを務め、21年5月にドイツ代表監督に就任。22年W杯カタール大会では1勝1敗1分けのグループ3位で決勝トーナメント進出を逃した。