プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(64)が2023年9月7日にユーチューブを更新し、3日のヤクルト戦で死球を受けた阪神・近本光司外野手(28)について独自の見解を示した。
岡田監督は試合後に怒り露わ
近本が死球を受けたのは7点リードの9回。先頭打者として打席に立ち、ヤクルト3番手・山本大貴投手(27)がマウンドに上がった。山本が投げた2球目がすっぽ抜け、近本の右脇腹を直撃。近本はその場にうずくまり、しばらく立ち上がることができず途中交代し、5日からの中日2連戦は欠場した。
近本は7月2日の巨人戦で右脇腹に死球を受け、右肋骨骨折で約3週間の離脱を余儀なくされただけに緊張が走った。
阪神は8月13日のヤクルト戦で、チームの要の梅野隆太郎捕手(32)が左手首に死球を受け、左尺骨骨折と診断された。今季は絶望的な状況で、優勝争いをしているチームにとって痛い離脱となった。
高木氏は動画で、9月3日の近本の死球について「心配したよ。あの痛がり方をみると(巨人戦と)同じ個所だけに骨折かなとか色々なことがよぎったけど打撲という診断で。打撲でも周りの筋肉が炎症を起こしているだろうから、無理してやると肉離れになる。2次災害になるといけないから様子を見てあまり慌てない方がいい」と気遣い、岡田彰布監督(65)の態度に言及した。
スポーツ紙などの報道によると、岡田監督は試合後に死球に対して怒りを露わにし、「(試合後)おらんかったんよ、高津(臣吾監督)。ベンチに」などと不満を口にしたという。
「怒らないリーダーなんていない」
高木氏は「何が正解かは分からないが、ただ岡田監督のあの態度は立派だったと思う。選手を守るという。他のコーチが行くというよりもリーダーが行かないとそこは。選手がその姿を見たら頼もしく思う。リーダーだったら当然怒るよ。怒らないリーダーなんていない」との見解を示した。
さらに「高津監督がどういう態度だったかは別問題として、どういう態度を取れば収まったのか。戦いだから。その中で起きた事故だから。わざとではないと信じている。技術のなさ、そういうピッチャーを(マウンドに)上げているというのがヤクルトの現状の厳しさ。そういうところもあったと思う。技術のある人間は当てない。厳しい所にいっても。そこらへんはちゃんと教えてあげないとこういう問題になる」と続けた。
阪神は優勝マジックを着々と減らし9月7日時点で「12」。18年ぶりのリーグ制覇が見えてきた。一方リーグ2連覇中のヤクルトは今季5位と低迷している。
高木氏は「昨年、優勝争いをしている時に塩見(泰隆)にデッドボールを当てられたらヤクルトは激高していたと思う。今年は立場が逆」とし、次のように持論を展開した。
「相手が栄光をつかもうとしている時にそういうことをされたのだったら(高津監督は)一礼はしておくべき。気持ちは分かるでしょ、岡田監督の。高津は優勝しているし。2年連続で優勝している監督だし。そのかわいいメンバーがケガで離脱するといった時には、帽子を取って『すみませんでした』と言ってもおかしくはないと思う。同じ戦っている仲間として。それがあったらだいぶ違ったと思う」と語った。