ジャニーズ事務所による故・ジャニー喜多川氏による性加害問題についての会見で、引責辞任が発表された白波瀬傑・前副社長が出席しなかったことに、性被害を受けたと告白している俳優の服部吉次氏が激怒した。
「大変綿密に彼らが作戦を練って、ほぼその通りに進行できたということなのだと」
ジャニーズ事務所は2023年9月7日、喜多川前社長による性加害問題への「外部専門家による再発防止特別チーム」の提言を受け、都内で会見を開いた。会見には藤島ジュリー景子前社長、新社長で少年隊の東山紀之さん、元V6の井ノ原快彦さん、顧問弁護士の木目田裕氏の4人が登壇していた。
服部氏は事務所会見後の同日夕方に行われた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」による会見に協力員として出席し、事務所会見を受けての所感を語った。
会見について「全体的な印象として、大変綿密に彼らが作戦を練って、ほぼその通りに進行できたということなのだと思います」とした。
「ただ、非常に肝心な点でもって、僕はこのお芝居が破綻していること。何よりもやっぱり、白波瀬君が出てきてないということですね。なぜか。彼は芝居ができないから」と指摘。会見内容を「芝居」だと断じ、白波瀬氏が登壇しなかった理由をこう推測した。
「実に東山もジュリーも井ノ原も、見事に演技プラン通りの芝居ができたと思います。でも白波瀬には無理なんだよね。それが演技スタイルの違いとして、公開の席でもって暴露されることは、理屈やなんかじゃなくて肌でもって分かってしまう。なぜ彼を隠したのかということが」
白波瀬氏が登壇しなかったことについて「このことが、僕の言っていることに腹が立ったんだったらば、出てこい。出せ。そしてそれに関連するようなことは他にもあると思う」と怒りをあらわにし、「とにかくこの場所に彼らの犯罪というものをもっともっとさらに追及して暴いていくことだと思います。以上です」と語った。
「ジャニー氏に対する監視・監督義務を全く果たさなかった」
白波瀬氏をめぐっては、再発防止特別チームの調査報告書でも、週刊文春によるジャニー氏による性加害の特集記事について、「メリー氏については遅くとも1960年代前半以降、また、そのほかのジュリー氏及び白波瀬氏をはじめとする取締役については少なくとも週刊文春によりジャニー氏による性加害の事実が報道された以降、それぞれジャニー氏に対する監視・監督義務を全く果たさなかったことが、ジャニー氏による性加害の継続を許す大きな要因になったと考えられる」と記されている。
白波瀬氏の欠席については、事務所会見の質疑応答でも質問が上がっていた。
「白波瀬副社長の引責辞任のお話もありました。白波瀬副社長がメディアとのやり取りを担当されていたと思います。今日の会見に参加されていらっしゃらない理由は」との質問に、東山新社長は「(白波瀬氏は)責任をとって退任したと思いますので」などと回答。再度なぜ登壇していないのかを尋ねる声が飛ぶと、「もう退任しているからです」とした。
木目田弁護士はこの質問に「白波瀬さんも会見に出席させるかどうかというのは依頼者であるジャニーズ事務所の皆様ともご相談しました」とし、「結果として白波瀬さんまで会見に出席していないのは、責任という問題でいえば藤島前社長が『自分の責任である』ということでこうやってご説明すると。藤島さんが一身をもって自分の責任だということでここに出ることにしているということだから、白波瀬さんまでは出席させなかったと、ただそれだけの理由でございます」としている。