プロ野球中日の低迷が続いている。2023年9月6日時点でリーグ最下位に沈み、5位ヤクルトとのゲーム差は2.5。4位・巨人には13ゲーム離されている。立浪和義監督(54)1年目の昨季はリーグ最下位に終わり、今季も最下位の可能性が出てきた。低迷の要因はどこにあるのか。J-CASTニュースは巨人、ヤクルトなどでコーチを歴任した橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。
「立浪監督の采配などの問題ではない」
中日は11年のリーグ優勝以来、優勝から遠ざかっており長らく低迷した。20年に8年ぶりにAクラス入りするも翌21年は5位、昨季は最下位と上昇の気配が見られない。橋上氏は「中日の低迷は根が深いと思います」と指摘し、次のように持論を展開した。
「落合(博満)さんが監督をやっていたあたりからベテラン選手を重用していました。当時はベテラン選手が活躍できる力がありチームも勝っていたのでメンバーを代えることができなかったと思うが、次世代の選手の育成がうまく出来ていなかった。現在2軍を見てもなかなか選手がおらず、1軍と2軍でこれだけ選手がいないというのはなかなかない。この低迷はかなり時間がかかると思います」
中日2軍は6日時点でウエスタンリーグ最下位に沈み、勝率はわずか3割3分7厘だ。シーズン開幕当初の4月には引き分けを挟んで14連敗を喫し、スタートで大きく出遅れた。
橋上氏は「立浪監督の采配などの問題ではなく、今の戦力だったら誰が監督をやってもあまり大きな成果は得られないと思います。球団を含めた編成が中長期的な育成をしっかりやってこなかったツケが回ってきていると思います。次世代選手の育成をしっかりやり、ベテランが抜けた後釜にすんなり移行できれば良かったが、少しおざなりになっていた感じはある。現役ドラフトで細川(成也)選手を獲得できたのが救いだったと思います」と語った。