「僕らが普段相手にしているのは、特権階級なんですよ」
記者会見後に改めて報道陣の取材に応じた坂氏は、現地を訪問した感想を
「それほど(多くの)手足のない人たちを見たのは初めてだったので、やっぱりショッキングでしたね。その人たちがリハビリに励んだり、明るく振る舞っているのを見ているのはつらいですよね」
などと話した。プロジェクトを進める理由を問われると、医師と比較する形で、建築家は普段は「特権階級」を相手にしていると説明。
「建築家ってね、楽な商売なんですよ。だって例えば家を造るときって、お金持ちの人が多分すごく充実したとき、お金があるときに造るわけじゃないですか?だから僕らが普段相手にしているのは、特権階級なんですよ。お金持っていたり、あるいは行政だったり...。だけどお医者さんって、いつも問題を抱えている人たちの仕事をしているわけじゃないすか。目の前で、例えば敵の人がけがしたって、多分治療しますよね?無料で」
その上で次のように話し、建築家として「特権階級の仕事」以外への取り組みも重要だと話した。
「だから建築家だって、そういう特権階級の仕事をするだけじゃなくて、目の前で難民生活していたり、仮設住宅にいたりしたら、それを良くするというのは...。目の前に困っている患者さんがいたら医者は当然助けるわけですよね、だから建築家も当たり前だと思うんです。そういう住環境で困ってる人がいたら、それを何とか少しでも改善するというのは、特別なことじゃないと思うんですよ」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)