「給与が低くてもなりたい人がいる」
厚生労働省が発表する「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、大学院卒者の初任給の平均は26万7900円。りんふぁんさんが高いとする金沢21世紀美術館の初任給も平均を下回っている。なぜ学芸員の給与水準が低いのか。
「給与が低くてもなりたい人がいるからかと思います。学芸員募集に正規雇用が少なく非正規雇用が目立つのもこのせいかもしれません。非正規であっても学芸員の職につきたい人はかなりいるので、雇用されている側も離職せず職場もそれに甘えてしまっている現状があります」
りんふぁんさんは、「このような薄給では学生は学芸員を目指せない!」というポストや記事を発信しているのは「労働環境改善を自ら推し進めようとする方や(すでに採用された)現役の学芸員など」だとし、このような意見はありがたいとしつつも、「学芸員を目指している大学院生の声ではありません」という。
「私自身、院生の後輩も多くいますが『給与は低いけど、どうしよう』と迷いつつも結局学芸員の道を選ぶ人は少なくありません。
私も『学芸員を目指す人を応援するブログ』を運営していますが、メジャーな職業でもないのに意外とアクセスがあります。本当に悩んでいる人に少しでも届けばとブログを始めましたが、『学芸員=報われない職業』のイメージが定着した今でも、まだ学芸員を目指す人がこんなにもいるのかと驚いています。(誤解ないよう付け加えておくと、私のブログは『学芸員を目指す』よう"誘導"しているものではありません。諦めるのも一つの手だと書いていますし、給与が安いことも書いています。)
薄給でも結局のところなりたい人はたくさんいる現状ですから、21美の給与は"十分"だとされているのかもしれません」