「心がしんでいく」絶えないセクハラ患者、我慢強いられる看護師 病院の「日常」に共感集まる

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「自分が我慢すれば、仕事は回る。他の患者のケアもできる」

   取材に対し、ソファちゃんさんは21年2月ごろから看護現場を題材としたイラストを描いていると振り返る。ただし、内容はフィクションであり実在のモデルはいないとしている。

「反応をもらえることが嬉しく、承認欲求を満たすための投稿をしていました。2022年ごろから、少しずつ描くことの方向性を変え、今は、日常をただただ綴る、反響をいただくことより、自分の日常を振り返ったり、誰かに『そうなんだ』と思ってもらえることを目的に絵を描いています」

   イラストには続きがある。看護師が上司に被害を訴えると、「主治医と私で注意しておいたからもう大丈夫!安心してね」と伝えられる。看護師はさらに「心がしんでいく」という。

「翌日も絵の中の看護師は、自分の胸を故意に触ってきた患者がいる病棟に行かなければなりません。加害者は、チャンスをもらい、引き続きケアを受けられます。担当を変えてもらったとしても、顔を合わせないようにすることは困難です。忙しい病棟では、担当患者のナースコール以外でも対応しなければならないので、当然被害者が加害者の対応もすることになります。
即刻退院にする病院もあるのでしょうが、まだ勤務したことがないのでわかりません。1度目の性加害はイエローカードなのです。でもこの注意してくれて、担当を変えてくれるという対応ですら、良い対応として賞賛されています」

   仮に警察を呼んだとしても、その対応に時間を割く余裕もない。

「多くの患者を受け持ち、分刻みで行動しているため、自分のために他患者への対応を疎かにはできません。患者が痰が詰まって苦しいのに、警察の対応をしていたので伺えませんでした、なんてこともあり得てしまいます」

   看護の現場は人手不足だ。自分の被害を訴えるために他のスタッフに変わってもらうことは難しい。ケアの質も落ちかねない。管理者を通さずに警察を呼ぶこともできない。ソファちゃんさんはこのような状況を訴え、「他の患者に迷惑をかけてまで、自分の被害のことを解決しようなんてできない」などと述べる。

「自分が我慢すれば、仕事は回る。他の患者のケアもできる」
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