今回のストライキは「強いメッセージ」
小菅氏は、現在は「労働組合が強い会社は珍しい」と言われていると指摘する。ストライキも辞さない姿勢の組合の方が少ないという。
では、なぜ西武池袋本店で大規模ストライキが起きたのだろうか。小菅氏は「親会社の決断が雇用に与える影響が大きすぎたということがあると思います」と説明する。
労働者は働く場がなくなることを危惧しており、 経営陣から十分な説明がなされておらず、自分たちの行く末が配慮されていないと感じたのではないかと指摘。労働者は、使用者に対抗したいわけではないだろうと推察する。
「今の時代は『嫌だったらやめればいい』と言われ、転職サイトが非常に充実しており、自由に労働移動ができる人手不足の時代でもあります。それだったらストライキまでしなくても、納得しなければやめればいいじゃないかという人の方が多いようにも思います。
しかし今回はそうではなく、自分たちが西武池袋本店で働く意味や理由に対しての強いメッセージを感じます。『辞めるだけが全てではない』と」
歴史ある百貨店であるからこそ、そこで働いている人たちの思いは強いのではないかと指摘する。
「西武池袋本店がストライキをしたのは、かなり驚きました。逆にピンと来なかったぐらいです。お客さんからしてもお店が閉まってしまいますし、社員の方も給料はその分出ません。経営者にとってみても、お互いにあまり嬉しいことではないということは、重々承知だと思います」
セブン&アイHDは9月1日、米国投資ファンドへのそごう・西武の売却が完了したと発表。そごう西武の企業価値は2200億円だが、負債などにかかる調整をした譲渡価額は8500万円の見込みだとしている。
複数報道によると、西武池袋本店は1日、通常営業を再開している。