FIBAバスケットボール・ワールドカップ(W杯)2023の順位決定ラウンドM組第1戦が2023年8月31日、フィリピンのアラネタ・コロシアムで行われ、中国がアンゴラを83-76で破った。今大会初勝利で24年パリ五輪出場の可能性を残したが、地元中国メディア「捜狐」(WEB版)は選手の試合前の行動や監督の起用法を疑問視し、批判的な論調で報じた。
今大会初勝利も「バケツの中の1滴」
1次ラウンド3戦全敗でB組最下位に沈んだ中国。4試合目にして待望の勝利を挙げたが、今大会でのアジア勢最上位に与えられるパリ五輪出場権争いでは、順位決定ラウンドでベネズエラを破り通算2勝目をマークした日本に依然として後れを取っている。
「捜狐」は自国の初勝利を「バケツの中の1滴」と表現し、試合前のセンター、ワン・ジェーリンの行動を疑問視した。
記事では、試合前のロッカールームでジェーリンはのんびりと携帯電話をいじっていたとし、このタイミングで携帯電話を操作するのは「メンタルに影響を与えることは間違いない」と指摘。ジェーリンがロッカールームで携帯電話を操作している写真を添付し、「国内の著名なバスケットボール解説者スー・クン氏がジェーリンの行為を批判した」と伝えた。
同メディアによると、ジェーリンは中国代表として数々の国際大会に出場し、今大会の活躍が期待されていた。ところが1次ラウンドは3試合で計11得点と不調に終わり、インターネットでファンから批判を浴びていたという。アンゴラ戦では出場機会がなかった。
「この勝利は少し遅かった」
捜狐の別の記事では、中国代表サーシャ・ジョルジェビッチ監督の選手起用法を疑問視した。
アンゴラ戦ではジェーリンに代えてフー・ジンチュを起用した。ジンチュは今大会出場時間が少なく3試合で計7得点だった。ところがアンゴラ戦では20得点をマークする活躍を見せ、チームの勝利に大きく貢献した。
記事は「戦略ミス」と書き出され、中国はようやく1勝目を挙げたが、日本が2勝目をマークしたため、この勝利は少し遅かったとした。さらに「多くのファンはジョルジェビッチ監督がなぜもっと早くジンチュを起用しなかったのかと思っている」と疑問視した。
記事によると、ある記者が1次ラウンド中にジョルジェビッチ監督に「なぜジンチュを起用しないのか?」と尋ねたところ、監督は「ジンチュよりもジェーリンの方が適しているからだ」と答えたという。
パリ五輪の出場権1枠は日本、フィリピン、ヨルダン、イラン、中国、レバノンで争う。アジア勢はすべて2次ラウンドに進めず、順位決定ラウンドに回り、中国は9月2日にフィリピンのアラネタ・コロシアムで地元フィリピンと対戦する。