リベラル、左派の言葉が届かない
ひとつが、想像以上に賛否についてあいまいな人が多かった点だ。国葬前の世論調査では、大筋で反対60%に対して賛成40%。ただ、その中でも確固たる反対や賛成は少なく、60%と40%の間には
「グラデーションがすごくあって、『どちらかといえば賛成』とか『どちらかといえば反対』という層も含まれていて、割と空気を読んで、そのときのどちら側にも行くだろうな、というのを何となく想像していた」
という。だが、実際に町の声を聞いてみると、
「思っていた以上に、曖昧な答え、元々関心がなかったりとか、『どっちの気持ちも分かる』みたいな...。本当に日本的な答えというか、そういうものが多かった。ある程度想像していたが、改めて『日本人って何なんだろう?』みたいな、そこに対する困惑というものがある」
という。
もうひとつが、大島氏を含む「リベラル、左派の言葉がまだ届いていない」という点だ。銃撃事件が起きた大和西大寺駅前では、若い男性が安倍氏へのあこがれを熱弁する。国葬に反対してきた大島氏にとって、この場面は
「私は彼に対して何か説得力のある言葉を持っているだろうか、そこは結構、困惑の原因のひとつ」
でもある。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)