FIBAバスケットボール・ワールドカップ(W杯)2023の1次ラウンドB組第3戦の中国対プエルトリコ戦が2023年8月30日、フィリピンのアラネタ・コロシアムで行われる。複数の中国メディアが29日に今大会の特集記事を組み、中国が今大会で24年パリ五輪出場権を獲得するのは難しいとの見解を示した。
「このようなチームに希望はない」
パリ五輪の出場権は、今大会のアジア勢最上位に与えられる。1枠を日本、フィリピン、ヨルダン、イラン、中国、レバノンで争う。
中国はここまで2戦2敗の得失点差マイナス62でB組最下位に沈んでいる。最終戦で対戦するプエルトリコは1勝1敗でB組2位につけており、世界ランキングは20位で中国の27位を上回り、中国は厳しい戦いが予想される。
五輪出場権争いは29日時点で、アジア勢唯一の白星を挙げている日本が1勝2敗、得失点差マイナス28で暫定トップに立ち、中国は5位。日本、フィリピン、レバノンは17~32位の順位決定戦に回ることが決定しており、中国、イラン、ヨルダンは30日に1次ラウンド最終戦を行う予定で結果次第ではアジア勢全てが順位決定戦に回る可能性がある。
中国メディア「捜狐」(WEB版)は、「中国がパリ五輪に直行することは非常に困難になった」と指摘した。ここまで未勝利の自国代表に「勝利への意欲がない」とし、「このようなチームに希望はない」と批判的な論調で切り捨てた。
「選手たちが勝ち負けを気にしていないことが理解できない」
記事によると、元中国代表PGの孫悦氏は「選手たちが勝ち負けを気にしていないことが理解できない。これが重要な試合であることを分かっていながら選手たちは気にしていない」と激怒したという。
スポーツメディア「騰訊体育」(WEB版)は、中国は初戦のセルビア戦で42点の差をつけられ敗北し、得失点差で日本や他のアジアのチームに大きく遅れをとっていると解説。最終戦のプエルトリコに勝つのは難しい状況で、今回のW杯は4年前の大会とは比べものにならないほど泥沼の戦いであり、五輪出場権獲得の見通しはさらに暗いとした。
別の記事では、現在五輪切符争いで首位に立っている日本が切符獲得に自信を持っているのは不思議ではないと指摘。対照的に中国は最終戦でプエルトリコに負ければアジア勢最下位になる可能性があるとした。
スポーツメディア「新浪体育」(WEB版)は、今大会の2敗はいずれも大敗でチームにとって大きな打撃となったとし、最終戦でプエルトリコに勝って2次ラウンドに進出するのはほぼ不可能だと指摘した。