「性被害打ち明けると『おめでとう』」「足をこすらないと眠れなくなった」 ジャニー喜多川氏の所業、報告書が暴く

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   ジャニーズ事務所前社長の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐって、ジャニーズ事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」が2023年8月29日、調査報告書を公表し、都内で会見を開いた。

   ジャニー氏が行った性加害の事実やジャニーズJr.の認識、性加害の影響などについて説明した。

  • 都内で会見を行った「再発防止特別チーム」(左から飛鳥井望氏、林真琴氏、斉藤梓氏(2023年8月29日撮影))
    都内で会見を行った「再発防止特別チーム」(左から飛鳥井望氏、林真琴氏、斉藤梓氏(2023年8月29日撮影))
  • 検事総長・林真琴弁護士(2023年8月29日撮影)
    検事総長・林真琴弁護士(2023年8月29日撮影)
  • 精神科医・飛鳥井望氏(2023年8月29日撮影)
    精神科医・飛鳥井望氏(2023年8月29日撮影)
  • 臨床心理士・ 斉藤梓氏(2023年8月29日撮影)
    臨床心理士・ 斉藤梓氏(2023年8月29日撮影)
  • 都内で会見を行った「再発防止特別チーム」(左から飛鳥井望氏、林真琴氏、斉藤梓氏(2023年8月29日撮影))
  • 検事総長・林真琴弁護士(2023年8月29日撮影)
  • 精神科医・飛鳥井望氏(2023年8月29日撮影)
  • 臨床心理士・ 斉藤梓氏(2023年8月29日撮影)

「ジャニー氏の肛門に性器を挿入させられたことが1回ある」

   座長であり元検事総長・林真琴弁護士、精神科医の飛鳥井望氏、臨床心理士の斉藤梓氏からなる特別チームは、被害者21人にどのような性加害を受けたのかを聞いた。

   ヒヤリング結果を踏まえ、ジャニー氏が自宅や合宿所や公演先の宿泊ホテルなどにおいて、一緒に入浴をする、添い寝する、キスをする、体を愛撫する、性器を弄ぶ、口腔性交を行う、肛門性交を強要するなどの性加害を行っていたことを認めた。

   ジャニー氏は古くは1950、60年代に性加害を行っていたことが認められ、それ以降も繰り返していた。

   ジャニーズ事務所においては1970年代前半から2010年代半ばと長期間にわたって多数のジャニーズJr.に対し性加害をしていたと認められた。

   調査報告書に記載された性加害のヒヤリング結果には、以下のようなものがある。

「ジャニーズJr.の間で、『昨日ジャニーにやられていただろう』などと冗談めかしたり、武勇伝的に話したりしていた。ジャニー氏からホテルの部屋に1時間程度監禁された子がおり、後に性加害を受けたと言っていた」
「ジャニー氏から肛門性交をされたり、ジャニー氏に対して肛門性交をするように求められたりすることもあったと聞いた。また、ジャニー氏の性器に口腔性交をするように求められる者もいたと聞いた。どのようなことをするかで渡される現金が違っており、3万円や5万円をもらった者もいた」
「肛門性交もされそうになったが、『痛い』と言ったらジャニー氏は諦めた」
「合宿所で寝ているとジャニー氏が後ろから添い寝をして股間を触られ、射精させられるまでやられた(中学1年頃)」
「ジャニー氏の肛門に性器を挿入させられたことが1回ある(17歳頃)」
「ジャニー氏に陰部を触られ、耳から首、陰部、足の先に至るまで、全身を舐められた」

   被害者のヒヤリングによると、少なくとも数百人の被害者がいるとの証言が複数あった。

   林弁護士は会見でこの点を尋ねられると、「長期、後半ににわたる被害であるということを考えれば、数百名という被害者の数は不自然ではない」と説明した。

「全ての被害者の総数を明らかにするというのは、困難なことです。いま名乗り出ていただいている方というのはおそらく全体像からしたら、非常に少ない数です。全ての被害のヒヤリングを得ないと全体像を到底認定できないわけです。それでも全体的にいつからいつまで、性加害がどういう対応で行われたかは今回ヒヤリング調査で十分認定できました。全体像はどのようにして今後確定できるのかというのは、難しいかもしれません」

   ジャニーズ事務所への提言の中に、被害者救済措置がある。林氏はジャニーズ事務所はまず謝罪し、その上で、救済申し立てを呼びかけ、救済を重ねることで全体像に近づくのではないかと推察した。

他のジャニーズJr.に性加害のことを話そうとすると、「おめでとう」と言われ...

   調査報告の説明によると、多くのジャニーズJr.は性加害を受ければ優遇され、拒否すれば冷遇されるという認識を持っていた。他のジャニーズJr.に性加害のことを話そうとしたとき、「おめでとう」と言われたことや洗脳状態にあったことが明かされている。

   ジャニーズJr.の中には「合宿組」と呼ばれる者がおり、性加害を受け入れることで、仕事が増えるが認識されていた。

   レッスンはAからDのグループに分けられ、Aグループにはジャニー氏のお気に入りの背の小さいメンバーが多く所属していたことも明かされている。

   一連の性加害は、ジャニー氏が被害者の心情に付け込んで行っていたと評価していると林氏はいう。

   斉藤氏は、性加害の身体的、精神的影響について、様々な場面で被害がフラッシュバックする、似たような男性など被害を思い出させる人物や事物を避けるなど典型的なトラウマの反応や性機能不全、性依存、自己否定感、うつ病などが生じているという。

   調査報告書によると、自殺願望を抱く人やジャニー氏に触られる感触がよみがえるため、足をこすらないと眠れない人もいる。

   飛鳥井氏は、ジャニー氏が20歳頃から80歳半ばまでの間、性加害を頻繁に、常習的に繰り返したことは、顕著な「性嗜好異常」が存在していたと断定した。

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