鉄道にすることで入山者に「オブリゲーション(義務)を求めることができる」
記者からは、入山料を取ったり、事前に教育を受けさせたりすべきだとする質問が出た。長崎氏も大筋で方向性は同意したが、富士山の山頂に至るルートが法律上は道路として位置づけられており、「関所を設けて人の流れを止めることができない」ため、現実的には困難だという見方も示した。その上で次のように話し、鉄道に切り替えることの利点を強調した。
「スバルラインという道路法上の道路を廃止して、そこに鉄道を通すことによって、今おっしゃるような、入山料、例えば適正な費用の負担、あるいは知識を求めるとか、登ってくる方にオブリゲーション(義務)を求めることができるようになってくる」
電車ではなくEV(電気自動車)バスを走らせるべきだとの指摘には、急勾配でのブレーキと大量輸送に課題があるとした。
実現に向けたスケジュールについては
「具体的な提案をするための様々な準備作業をしており、今現時点において、『何年後』というのはなかなかまだまだ難しい段階」
と述べるにとどめた。
長崎氏は会見後改めて日本の記者団の取材に応じ、
「世界の皆さんにご理解いただけるような山の登り方の実現、あるいは来訪者のコントロールの仕方を、しっかりこれから探りながら議論をして、答えを導いていきたい」
と話した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)