「ゲームクリエイターなんぞやめておけ」 なぜ大人は、子どもたちの「なりたい職業」に口を出したくなるのか

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   さまざまな企業や団体が調査を行っている、子どもたちの「なりたい職業」。毎年ランキングが発表されるたびに、X(Twitter)では社会人経験者である大人たちによる多様な反応が飛び交います。

   ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」、今回は「なりたい職業」について掘り下げます。

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なりたい職業の現実を知る大人の声

   「なりたい職業ランキング」の発表後に必ずと言っていいほど見られるのが、上位にランクインした職業について大人が「現実を語る」という流れです。

   例えば、ソニー生命が2023年7月に発表した「男子高校生がなりたい職業」の2位だった「ITエンジニア・プログラマー」について、「イメージと現実」と称して投稿された2枚の画像が話題になりました。

   「イメージ」とされる1枚目は、海外と思われる広々としたオフィスの画像。ラフな格好の男性が巨大なビーズクッションに全身を預けながらノートパソコンで作業をしている様子です。そして「現実」という2枚目は、世界史の教科書の挿絵に出てきそうな絵でした、手足を鎖で繋がれた男性が、監視下で過酷な労働を強いられている姿が描かれています。

   ずいぶん極端なイメージの対比かと思いきや、実際にIT業界で働いていると思われる他のユーザーからは「頭も身体も酷使される仕事だからなぁ」「ほんと現代の奴隷」など共感する反応が相次ぎました。

男子高生がなりたい職業の上位に「ITエンジニア」が選ばれたけどここでイメージと現実の差を見てみましょう - Togetter

   またベネッセが2020年に調査した「男子小学生がなりたい職業」では「ゲームクリエイター・プログラマ―」が1位に。この結果に対して現役のゲームクリエイターが反応し、大きな波紋を呼びました。

   その内容は「ゲームクリエイターなんぞやめとけやめとけ」というもの。その理由として、「(作品を)完成させられない、完成させても売れるとは限らない、リリース後もバグは永遠に出るからいつまでも休めない」といったリアルな過酷さをあげ、「精神病むだけでいいことなんもないぞ」と続けています。これを見たユーザーからは「説得力が違う」「本職の方が言っているなら間違いないだろう」などの声が寄せられました。

『小学生がなりたい職業ランキング』に現役ゲームクリエイター・アニメーターたちが物申す - Togetter

   現実の過酷さを説く声が一定数あがるいっぽうで「短編から作るとモチベあがるよ!」「小中学生のうちにScratchやらツクールを...」など、夢を実現するための具体的なアドバイスも。現実を伝えるリアルな声から夢を叶える具体策まで、さまざまな声が集まるのはX(Twitter)ならではかもしれません。

「YouTuberになりたい!」を笑うな!?

   時代の移り変わりとともに新たに生まれた職業が「なりたい職業ランキング」の上位に入ると、揶揄したくなる大人もいるようです。そんな大人たちに対して、とあるユーザーが持論を投稿し話題になりました。

   ユーザーは「将来YouTuberになりたい子ども」を揶揄する大人に向けて「俳優になりたい、野球選手になりたいって言っているのと変わらない。時代が変わっただけ」と投稿。今や有名YouTuberになるには野球選手や俳優に劣らぬ努力がいるという持論を展開しています。

「子供のなりたい職業がユーチューバー」をあざ笑う人がいるが「俳優や野球選手を目指す」のと何も変わらない事実に共感する声...奇行に走らなければいいとの意見も - Togetter

   投稿を見たユーザーからはYouTuberとして生計を立てる難易度の高さに共感する声があがりました。いっぽうで、中には迷惑行為などで注目されるYouTuberもいることから「奇行に走るのは勘弁してほしい」「他人に迷惑をかけなければ」という現実的な反応もありました。さらには「何十年後も存在するのか」と将来性についての議論なども起きています。

子どもたちもリアルな視点を持っている

   子どもたち側の現実的な思考が伺えるエピソードもあります。あるユーザーが小学生に「夢はYouTuberって人、多いですか?」と聞いたところ「編集作業めちゃくちゃ大変なのみんな知ってるから、もう夢としては人気がない」と言われたそうです。

   一時は「自分の好きなことで稼げる」というイメージもあったYouTuberですが、テレビなどで有名YouTuberの動画制作の舞台裏の多忙ぶりが取り上げられるなど、仕事としてのリアルな大変さを垣間見ることができる機会も増えてきました。こうした情報は子どもたちにも届き、夢としてのイメージにも影響を与えているようです。

   子どもたちの現実的な視点を評価する声がありつつも、「大変なの知ってるから人気ないってのはなんか複雑...」「どの職業も日々の作業は大変なのだから、そんなこと言ったら『夢のある仕事』なんか無くなる」といったシビアな意見も見られました。

小学生に「夢はYouTuberって人、多いですか?」と聞いた結果、非常に現実的でしっかりとした回答をいただく - Togetter

   一歩先に社会に出て現実を知っている大人だからこそ、子どもたちの「なりたい職業」についての話題は、何かと反応したくなる要素も多く拡散されやすいのかもしれません。時代の変化に合わせて、今後も新たな話題がどんどん飛び出してきそうです。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

【まとめ一覧】

男子高生がなりたい職業の上位に「ITエンジニア」が選ばれたけどここでイメージと現実の差を見てみましょう - Togetter

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