DJ SODAへのバッシング、「まとめサイト」が憎悪扇動 不正確情報を鵜呑みに「被害者叩き」横行...問題の背景は

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「ネットの目に見える情報は氷山の一角であり、かつ相当偏っていることを意識する」ことが情報リテラシー醸成となる

   SNS上では、DJ SODAさんに同情や共感の声よりも真偽不明な内容や誹謗中傷の方が多く拡散されているように見える。とりわけ日本人は不正確な情報を信じてしまいやすいのか。

   小木曽氏は、日本人が相対的にデマを信じやすいというエビデンス(科学的根拠)は存在しないと否定した。欧米でもアジアでも同様の事例は数多く起きているという。

   また「同情」「共感」といった感情は「わざわざ投稿しない」人の方が圧倒的に多いと分析する。

「この事実はかなり重要で、ネットの目に見える情報は氷山の一角であり、かつ相当偏っていることを意識する、そのような心構えがフェイクニュースに対抗しうる情報リテラシーの醸成に繋がります」

   X社は7月末、インプレッション(表示回数)を多く集める投稿などをした利用者に広告収益を分配する「クリエイター広告収益配分プログラム」を始めた。導入によって、フェイクニュースがますます横行する恐れはないのか。

「いわゆるまとめサイトは、タイトルにフェイク要素を意図的に織り込むみがちなので、その傾向をよく理解して接する必要があります。X社による投稿の『収益化』は、この傾向(適当な情報を書いてビューを稼ぐ)を一時的には助長すると思われますが、まとめサイトにせよ暴露系にせよ、すでに収益化が成立している領域であり、あの程度の金額ではそこまで大きな変化は起こせないと思います(まとめや暴露系ではもっと多額のお金が動いている)。また最近始まったコミュニティノート(誤解を招く恐れのあるツイートにユーザーが背景情報を提供する施策)が思いのほか機能しているので、『X』の収益化は、デマ業界への『新規参入』を促すまでには至らないでしょう。今まで通り、デマを書く人は書くだろうね、というくらいの認識です」(小木曽氏)

   デマや誹謗中傷への向き合い方、情報リテラシーの高め方については「人間の性質や情報の特性から見て、今後も、デマや誹謗中傷の問題は起き続けるはず」とし、重要なポイントに(1)自分は騙されるかもしれない、という意識(自分は大丈夫だと考える人間は騙され、拡散しがち)(2)誹謗中傷の被害者に対する適切なケアの仕組み(中傷は少数派のノイジーマイノリティであることの理解促進と、心理的ケアの併用)――の2点挙げた。

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