DJ SODAへのバッシング、「まとめサイト」が憎悪扇動 不正確情報を鵜呑みに「被害者叩き」横行...問題の背景は

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バッシング過熱の背景には何が?

   著書に『ネットで勝つ情報リテラシー』がある小木曽健氏に25日、不確かな情報をもとにバッシングする人が後を絶たない背景を尋ねた。

   小木曽氏はこの問題を分析すると、2つの「殴り合いグループ」が存在していると説明する。1つは「①セクシー売りのタレントがあんな服装で群衆に飛び込めばそうなる、自業自得だろ」と「②いや、どんなキャラ・服装でもそれを理由にした犯罪を受忍する謂れはない」。もう1つは「③だから男はダメなんだ」と「④いや、女だって触っているし、しかも自首していないのは女だろ」。

「上記に『嫌韓勢』と『日本はダメだ、海外では~』の出羽守勢、更には『まとめサイト勢』が加わり、ぐちゃぐちゃになり、その結果一連のバッシングに繋がっている状況です。
そもそも①VS②は『発生背景』と『法令順守』という全く別の議論を混在して議論しています。
また③VS④は『一個人が犯した犯罪』にもかかわらず性別や国籍を軸に議論しています。
だからどちらも着地するはずがなく、メディアはこの状況を交通整理しうる数少ない勢力なので、冷静に分析し、エビデンスに基づいて報じることが重要になります」

   小木曽氏は、人間は最初に「信じたい情報」を選び、後からそれを信じる理由や根拠を探す生き物だと定義する。

   「認知バイアス」と呼ばれるもので、自分の思い込みや過去の経験などにより、人間が無意識におこなう非合理的な行為だという。

「フィルターバブルやエコーチェンバーと合わせて『そのような特性、現象が存在しており、私たちに影響を及ぼしている』ということを知り、注意することが何より重要になります。逆に知らないと何も始まらないでしょう」

   フィルターバブルとは、ネットユーザーの行動履歴がアルゴリズムによって分析されることで、見たい情報ばかり表示され、ユーザーの価値観などに合わない情報には触れづらくなる環境を指す。

   エコーチャンバーは、SNS利用時に自分と興味や考え方が似ているユーザーをフォローする結果、コミュニケーションが閉鎖的となり自分の思想が強化されやすい状況をいう。

   デマを安易に拡散したり、便乗したりするリスクについては、次のように説明する。

「デマ拡散や誹謗中傷は、その内容が犯罪にあたるもの(殺害予告など)であれば、当然法的なペナルティーを科せられ、営業妨害にあたるもの(売上げの減少や警備の費用増など)であれば、民事裁判で賠償を求められます。未だにこの当たり前の事実を知らずにネットを利用している人が少なくない状況です。またそれらが社会的なコストになることは言うまでもありません」
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