全国高校野球選手権大会の決勝戦で、ライト側外野席にいた男性が酒に酔って大暴れし、警察官数人に取り押さえられる様子を撮った動画が、ツイッターでいくつか投稿されている。
投稿者の1人によると、周囲に絡んだりするのを注意されて「逆ギレ」した可能性があるという。投稿者は、「高校球児の一生懸命な姿に感動していたのに最悪な気分になりました」と怒っていた。
「ビールを前の席にこぼしたり、女性にハイタッチを求めたりした」
黒いTシャツを着た若い男性が「こりゃ!」などと大声を出し、制止しようとする前の席の男性の首を左手で押さえて、前の方をにらみつけている。
Tシャツの男性は、「おい!」と叫んで、前の方に行こうとする。首を押さえられた男性や周囲の女性2人が必死に押し戻し、もみ合い状態だ。Tシャツの男性は、「おい! やったれ」「呼んでけ、ちょっと」などとさらに声を出したが、周囲に押し戻された。しかし、それでも後ろの方に出ようとして...。
この30秒ほどの動画は、仙台育英(宮城)と慶応義塾(神奈川)の決勝戦があった2023年8月23日夕、ツイッターで投稿された。
同じころに、別の動画も投稿されており、警備員が見守る中、Tシャツの男性が警察官4、5人に取り押さえられている映像もあった。男性は警察官に何か言い返す一方、周囲の人らが警察に状況を説明していた。
投稿者がツイッターやJ-CASTニュースの24日の取材で明かしたところによると、暴れた男性は、慶応を応援していたといい、ビールやチューハイを数杯飲んで5回裏ごろから段々と声が大きくなった。ビールを前の席にこぼしたり威圧的に絡んだり、女性にハイタッチを求めたりしたという。
男性が暴れ出したのは、試合終了直後の16時50分ごろだったとした。前の前の席の男性から素行を注意され、逆ギレして殴りかかるかのような仕草を見せた。騒ぎを受けて、途中で帰る観客もいたほか、泣き出す女性の姿も見られたという。
今回の騒ぎについて、兵庫県警は、事件化しない方針
「酒が入って気が大きくなってたんだと思います。ライト側にいながら慶応を応援し、仙台育英の応援が気に障ったのかもしれません。私も注意しようと思いましたが、危険だと判断し静観していました」
この騒ぎで、球場の警備員が2、3人来たが、男性の真後ろの席にいた投稿者は、危険だと判断して警察を呼ぶよう要請し、警備員が110番通報したという。すぐに警察が到着し、男性を取り囲んで連れて行った。男性が暴れ始めて騒ぎが収まるまで、15分ぐらいかかったとした。
慶応側の応援は、3塁側やレフト側の席に多かったが、ライト側にも応援する人がちらほらいたという。
決勝戦のあった甲子園球場を運営する阪神電気鉄道の広報担当者は8月24日、取材に対し、ライト側の外野席で23日、観客同士が口論になり、観客1人が警察に保護されたと説明した。もう1人は、そのまま立ち去ったという。暴力行為やけが人の発生は聞いていないとしている。
兵庫県警の甲子園署は24日、取材に対し、23日夕にライト側の観客席でかなり酒に酔った観客がおり、警察官がこの観客が暴れるのを制止したと答えた。暴力行為やけが人の発生はなく、この騒ぎについて事件化しない方針を明らかにした。なぜ観客が暴れたのかについては、広報事案ではないため詳細は答えられないという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)