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本塁打&打点「2冠」岡本和真、今季「好調」の要因は? 元巨人コーチは「WBC効果」 指摘

   プロ野球巨人の主砲・岡本和真内野手(27)がセ・リーグの本塁打と打点でトップに立っている。2023年8月23日時点で34本塁打、80打点を記録しており、本塁打王争いではヤクルト村上宗隆内野手(23)と10本差をつけて独走。打点はDeNA牧秀悟内野手(25)と2点差をつけ、打率は.298でリーグ5位につけている。

  • 岡本選手(写真:CTK Photo/アフロ)
    岡本選手(写真:CTK Photo/アフロ)
  • 岡本選手(写真:CTK Photo/アフロ)

「岡本選手は例外的に春先から調子が良かった」

   8月6日の広島戦では1試合3本塁打と大爆発。両リーグ最速の30号をマークし、史上9人目の6年連続30本塁打を達成した。キャリアハイの40本塁打を視界に捉えた岡本。今季、本塁打を量産する要因は何か。原辰徳監督(65)の第2次政権で戦略コーチを務めた野球解説者の橋上秀樹氏(57)に進化し続ける主砲を分析してもらった。

   橋上氏は3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での経験が今季の成績に大きく影響していると指摘した。岡本は日本代表として7試合に出場し打率.333、2本塁打、7打点をマーク。米国との決勝戦では1点リードの4回に貴重なソロ本塁打を放ち、これが決勝点となった。

   WBC13年大会で日本代表のコーチを務めた橋上氏は、「岡本選手はWBCに出場した選手の中でも例外的に春先から調子が良かった」とし、好調の要因を次のように分析した。

「WBCに出場したことが非常に大きな自信となり今季の成績に反映されていると思います。今までは年上の坂本(勇人)選手や中田(翔)選手、丸(佳浩)選手らに遠慮をしながらプレーしていたように見えましたが、WBCで世界一になったことで自分がチームの中心として引っ張るんだという気持ちが非常に強くなったと感じます。チームリーダーとしての自覚が、成績が上がった一番のポイントだと思います」

   WBCでコーチを務めた経験から大会後のレギュラーシーズンで調子を維持する難しさに言及。選手はそれぞれWBCに照準を絞り早めの調整を強いられ、シーズン序盤は肉体的、精神的疲労から調子を落とす選手が多いという。

「技術的なものより打席での集中力が増している」

   橋上氏は「WBCに出場して調子を崩す人の共通点というのは、疲労もあるが燃え尽き症候群のようなものがある。岡本選手の場合、世界一となってチームに戻り周りを見渡した時、自分のやるべきこと、立ち位置が明確になったと思います。日本一というモチベーションがあったのでしょう。さらに序盤、坂本選手の調子が良くなくチームを離脱することもあったので『自分がやらなくてはいけない』という気持ちがプラスに作用したと思います」と分析した。

   そして「技術的なものより打席での集中力が増してきていると思います」とし、「打率が高くなる要因のひとつとしてフォアボールがある。岡本選手の場合、昨シーズンと比べて圧倒的にフォアボールが増えたわけではないが、気持ちの余裕や打席での集中力がみてとれる。しかも打率3割が見えている状況なので、昨年だったら3打席凡打して4打席目も集中しきれず無安打で終わるところが、1本打っておかなくてはいけないという気持ちが出てくる。1打席たりとも無駄にできないのでより集中して打席に立っている」と語った。

   今季は本塁打、打点のみならず出塁率と長打率を合わせたOPSでもリーグトップにいる。23日時点で1.002の数字を残し、なかでも長打率は突出しておりリーグ唯一の6割台(.614)を維持している。

   橋上氏は「打率に関しては厳しいかもしれないが、ホームランと打点のタイトルはかなりの確率で取れると思います。ここにきて巨人打線が上向いてきているので岡本選手にとって追い風になるでしょう。このままのペースでいけば40本はいくと思います」と語った。