高額な転売が売れてしまい「正規価格」で販売が
末延さんによれば、アマゾンからは菊水産業でも予約販売を行うよう助言を受けたという。やむを得ず納期を長めに設定して、商品を登録しようとするも、いつまで経っても反映されず、おかしいと思っているとカスタマーセンターからメールが届いていた。
「カスタマーセンターから寄せられたメールによれば、他の事業者が1600円から1800円ほどで出品しているのを購入された方がいらっしゃったようです。アマゾンのシステムでは、販売実績をもとに平均価格が決まるようで、本来の価格である550円は安すぎて適性の価格ではないとみなされてしまったようです」
アマゾンでは、過去60日間に購入された価格に基づき平均販売価格を算出している。この価格設定を下回る場合、適正な価格であることを証明できる情報を送らねばならない。しかし末延さんによれば、他のECサイトなどの情報を伝える場合、販売中の情報でなければならなかったという。在庫が無かったために、正規の価格を伝えることはできなかった。
末延さんは菊水産業の公式ECサイトにも、長めに納期を設定した予約販売ページを立ち上げた。このページをもって、アマゾンに正規の価格を伝えたいと考えたためだ。しかし反映には時間がかかる。待っている間にも、別の事業者から高額で届くことのない爪楊枝を購入してしまうユーザーが現れるかもしれない。
「アマゾン利用者の多くは出品者、発送元を見ていない人が多いように思います。なにかあれば、クレームが寄せられるのはメーカーです。勝手に予約販売されて届かないとうちにクレームが来ても困ると思いました」
Xで21日、「今Amazonに出ている商品の販売元はうちではありません」などと注意喚起を行った。
「だってこれ9月1日発売予定って...今在庫ないって言ってるのに、9月2日にお届けってどうするつもりなん?予約した人は菊水産業が送って来ない!ってうちにお問い合わせするやんな?気を付けてください!」