高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
マスコミ報道の非対称で「安全なのに不安」解消されず 原発処理水放出、風評被害をなくすには

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政治家が処理水を飲んで安心をアピール

   一方、中国が日本産輸入への不合理な規制強化となると大々的に報道する。安心につながる報道はなされないが、不安になるような報道がなされるというメディアの非対称によって、「安全であるが不安」がなかなか解消されない状況になっている。

   ここでの出番は政治だ。古典的手法だが、政治家が処理水を飲んで安心をアピールするというパフォーマンスがある。これは、中国は政治的に難癖をつけているのでその撃退にもなるという一石二鳥の策だ。以前2011年当時にも内閣府政務官が処理水を飲んだことがあるが、その方はいまだに健在だ。

   今回は外相が飲んだらいい。と同時に中国の外相にも自分のところで放出している処理水を飲めと言えばいい。中国の外相が四の五の言って飲まなければ政治的に負け、飲んでも日本の主張を認めたことになるので、いずれにしても日本にとって不都合ではない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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