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韓国女性DJへの「性暴力」問題、主催者は刑事告訴を表明 大阪府警も投稿確認...捜査状況を聞いた

   韓国の人気女性DJ「DJ SODA」さんが音楽フェスで観客から胸を触られたと訴えた問題で、主催者のTryHard Japanは2023年8月15日、「卑劣な犯罪」だとして刑事告訴などの措置を取ると声明文を出した。

   数人が胸などを触る様子が映った映像があるとして、警察への出頭なども促している。どんな状況になっているのか、大阪府警に取材した。

  • DJ SODAさんのインスタグラムから
    DJ SODAさんのインスタグラムから
  • DJ SODAさんのインスタグラムから

「パフォーマンス中に数名の観客から胸などを触られる事件が発生」

   この音楽フェス「MUSIC CIRCUS」は、大阪府泉南市内のSENNAN LONG PARK(泉南りんくう公園)で11~13日の3連休中に開かれ、 最終日にDJ SODAさんが出演した。

   DJ SODAさんは14日、「凄く悲しい出来事がありました」とツイッターでセクハラ被害を告白した。DJ SODAさんがもっと近くで楽しんでもらおうとファンに近づくと、数人が突然DJ SODAさんの胸を触って来たという。

   投稿されたいくつかの写真を見ると、男性らしき人が左手の手のひらの裏側を胸に擦り付けたり、別の人らが左手の手のひらで胸を押さえたり、胸の合い間に左手を入れたりしていた。

   別の女性からは、直接右胸を揉まれたといい、写真には、右手を胸まで伸ばした様子が写っていた。この女性は、DJ SODAさんによれば「私の首を閉じた」ともし、両手を首にかけている写真も投稿した。この女性は、マネージャーがDJ SODAさんから引き離したという。

   それでも笑みを浮かべながら出演を続けたことについては、「その時、とても驚いて怖かったですが、一方で私を見て泣いて喜んでくれて好きと伝えてくれる素敵なファンの方々もいて、一旦最後までやりきろうと最大限平気なふりを頑張りました」と説明した。

   この告白を受け、音楽フェスを主催したTryHard Japanは15日、「MUSIC CIRCUS'23で発生した性暴力事件について」と題して、音楽フェスの公式サイトなどに声明を出した。

   そこでは、DJ SODAさんが「パフォーマンス中に数名の観客から胸などを触られる事件が発生しました」と報告し、次のように加害者を糾弾した。

「主催者から相談はまだない。当日の整理は主催者の責任で行う」

「このような行為は性暴力、性犯罪であり、断じて許すわけにはいきません。被害に遭われたDJ SODA様への最大限のサポートを行いつつ、このような卑劣な犯罪行為を行った犯人を特定し、損害賠償請求や刑事告訴など、民事及び刑事の法的措置を取る所存です。今回の犯罪行為に及んだ方については、様々な角度から犯行現場をとらえた映像がありますので、早期に特定することが可能と思われます。犯罪行為に及んだ方は、すみやかに警察署に出頭し、また当社にご連絡ください」

   10年目を迎えた音楽フェスでは、「このような事件が初めて発生した」とし、「誠に残念であり、主催者として遺憾の意を表明します」と述べた。そのうえで、「事実関係を調査し、このようなことが二度と起こらないよう、再発防止を徹底してまいります」としている。

   会場を管轄する大阪府警の泉南署は8月15日、J-CASTニュースの取材に対し、同日昼過ぎ時点では、主催者から連絡や相談は受けていないと説明した。

「ご本人がツイッターで訴えた写真などの投稿は、こちらでも見ています。当日は、警察への通報はありませんでしたので、警察官は出動していません。まだ被害届は出ておらず、胸を触ったという人の警察への出頭もありません」

   当日の警備状況については、こう述べた。

「道路や駅などが人であふれるような状況では、警察が雑踏警備を担当します。しかし、主催者から交通整理などの依頼はなく、当日もそれほど人が集まっていなかったと聞いています。イベント内は、自主警備になっています。警察が出演者を守るようなことはしておらず、人員整理については主催者の責任で行うことになります」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)