バービー原爆騒動、米ワーナーはなぜ「隠れ謝罪」を選んだのか PRのプロは断罪...企業が学ぶべき教訓は

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   映画「バービー(Barbie)」と原爆を絡めたファンアートに関する騒動が尾を引いている。配給会社の米ワーナー・ブラザースは、メディア向けに謝罪文を公表したが、SNSでは「全然正式謝罪じゃない」「バービー絶対見たくない」などと納得がいかない声が広がった。

   PR戦略コンサルタントの下矢一良さんは2023年8月15日、J-CASTニュースの取材に対し、「企業の謝罪姿勢として決して十分とは言えない」と指摘する。今回の騒動からどんな教訓が得られたか、下矢さんの見解を尋ねた。

  • 映画「バービー」のポスター(ワーナー公式サイトより)
    映画「バービー」のポスター(ワーナー公式サイトより)
  • 米ワーナーの謝罪に対する読者の受け止め
    米ワーナーの謝罪に対する読者の受け止め
  • 映画「バービー」のポスター(ワーナー公式サイトより)
  • 米ワーナーの謝罪に対する読者の受け止め

「公式サイト」で謝罪なし

   7月21日に、バービー人形を実写化した映画「バービー」と、原子爆弾を開発した物理学者を描いた映画「オッペンハイマー」が公開された。X(旧ツイッター)では一般のユーザーたちによって、笑顔のバービーとともにピンク色のきのこ雲をコラージュした画像などが投稿された。これらのファンアートに、映画「バービー」公式Xが好意的とも取れる反応を寄せたことで騒動となった。

   日本語ユーザーの間では7月31日、この動きが注目されて物議を醸した。配給会社の日本支社であるワーナーブラザースジャパンは同日夜に謝罪。8月1日には本社である米ワーナー・ブラザースがメディア向けに「無神経なSNSへの投稿を遺憾に思う。心から謝罪します」とする声明を送付したと報じられた。問題視された投稿の一部が削除されたが、爆風を背に笑顔で車を走らせるバービーのコラージュに送った「私たちはいつもピンクのことを考えています」というコメントは数日ほど残っていた。

   8日、配給元を傘下に持つ米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの幹部であるジェームズ・ギボンズさんが日本経済新聞の取材に応じ、「SNS上で起きた無神経な事件への関与を遺憾に思う」と述べたと報じられている。

   公式サイトやSNSでの言及は未だに無い。

騒動の経緯
騒動の経緯

   J-CASTニュースは、4日に公開した記事「『バービー原爆騒動』米ワーナー謝罪報道もSNSは収まらず...あなたの感想は?【アンケート】」で、米ワーナーの謝罪について、読者に好感度を5段階で尋ねた。合計で525票が集まり、最も好感度の低い選択肢「悪いと思う」に399票(76パーセント)が投じられた。

   SNSでは、「バービーのやつ米ワーナーの謝罪文どこにもソース無いじゃんとおもったら各メディアに謝罪文送っただけかよ」「Twitter上で騒ぎを起こしたんだ。Twitter上で声明を出すのが筋と思うけどな」などと批判する声がある。

   テレビ東京、ソフトバンクなどを経て、PR戦略コンサルタントとして活躍する下矢さんは、プレス向け声明のみでの謝罪について、「近年では珍しい」と述べる。

「最近では広報に極めて消極的なビッグモーター、あるいは日本大学も一般向けに謝罪コメントを出しています」
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